tonATELIER_Vol.03
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35歌川広重が1841年に旅をしながら描いた「甲州日記」というスケッチブックがあります。広重はこのノートの前半と後半にタイトルをつけています。前半は「日々の記」、後半部分は一般に「写生帳」と呼ばれているのですが、広重は「心覚え」というタイトルをつけています。つまり「写生」は「心覚え」なのだと。もうひとつ、ウジェーヌ・ドラクロワが1832年に北アフリカのモロッコからアルジェリアを旅行したときのスケッチのエピソードを。ドラクロワはとても内向的でアトリエに引きこもってばかりの人だったそうですが、このときフランス政府の外交使節団の記録画家として約半年も旅行しました。彼は開発されたばかりの携帯用の水彩絵の具を持っていき、昼はスケッチ、夜は宿でそれに色をつけ、夢中になって7冊のスケッチブックに500点を越えるデッサンや水彩画を描きました。この旅行から帰国して2年後に発表したのが「アルジェの女たち」です。北アフリカの光や色彩や人々を生き生きと写したスケッチが彼の生涯の作品の源泉となったのは言うまでもありません。スケッチブックに描き綴られていくのは、心の記録かもしれません。KOKUYO 方眼紙¥420〜グラフの作成やドット絵のための方眼紙は、1ミリ、5ミリ、10ミリの升目が印刷されている。パースを表現しやすいのでスケッチブックとしても使われる。ポスト・イット¥252〜付箋としてのポストイットだが、大判サイズなら描くスペースもあり、壁などに貼ってスケッチの順番や位置を並べ替えて視覚的に別の角度で眺めたりできる。111SHEETS WORD CARDS¥105〜アイデアのワードを書きつづって、連想や展開といった作業に意外と重宝するのが単語帳、中は無地なので何でも描けるし、くるくる回ることで発想が飛躍する。Apple iPad 2¥44,800〜タブレット型コンピュータは、これからのスケッチブックのひとつ。iPad2は、より薄く軽量化されながら、2倍の処理速度と9倍のグラフィック性能を高めている。パピエラボ PHノートブック¥630活版印刷と紙のプロダクトを展開するパピエラボとステーショナリーのハイタイトが得意分野を融合し、インクがよく乾き、発色もよく裏映りしにくい極上の一品。

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