tonATELIER_Vol.04
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これから美大に行く人は美術の可能性を探って欲しい。僕自身もそうありたいと思っています」 福永は最近、大きな作品を制作できるように天井の高いアトリエに引っ越した。 「アトリエは、日常の生活から切り離された空間でありたいんです。生活空間では存在しない自分が出現する場所。生活の自分と制作の自分を共存させようとすると、どちらかの自分が壊れていくと思います。社会人としてもちろん必要なことなのですが、どこかで無理をしている日常があるんです。だけど、僕はここでは全知全能になれるんです。アトリエがあるからバランスを保っていられると思うんです」 福永は自宅から原付のバイクに乗ってアトリエにやってくる。風を切って走りながら徐々に日常の空間から切り離されていくのだという。Graduates' message『Flash』 2009年 2590mm×1940mm oil on canvas courtesy of tomiokoyamagallery ふくなが だいすけ・1981年東京都生まれ。2004年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。個展‘06年『福永大介展』、’08年『Local emotion』、’11年『何かを味方にすること』(以上、小山登美夫ギャラリー、東京)。グループ展’08年『Vrishaba through Mithuna - 松原壮志朗 キュレーション』(hiromiyoshii、東京)、『AFTER THE REALITY 2』(Deitchprojects、ニューヨーク、アメリカ)。’09年『現代美術の展望 VOCA展2009 −新しい平面の作家たち−』(上野の美術館、東京)、TEAM 15MIHOKANNO『Hello! MIHOKANNO』(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)。’10年『4人のペインティング』(小山登美夫ギャラリー京都、京都)。’11年『GOOD NIGHT MIHOKANNO』(アキバタマビ21〈3331Arts Chiyoda内〉、東京)、『FM“REISSUED WOMEN”デヴィッド・サーレへのオマージュ』(Sprout Curation、東京)。受賞歴’09年第一回絹谷幸二賞(毎日新聞社主催)。

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