tonATELIER_Vol.04
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グラフィックデザインとテキスタイルデザイン。違う学科で学んだ二人は大学のポテンシャルを存分に活用したという。これから美大を目指す人たちへ、多摩美生からのメッセージ。いった表現ほど華やかではないんですけど、企画とか論理性がとくに好きで、そこからまた自由に展開していくクリエイティビティが面白いと思ったし私に向いていると思ったんですね。コースを選ばなきゃいけないときに授業でいろんな体験ができるんです。先生から助言もいただきましたし、先輩に話を伺ったりして決めました。最初の目標とはちょっとくらい違っていても、結果として自分のやりたいことが明確になってきているし、そこに近づいていると思います。光井:多摩美は自分で考えて行動できるようになりますよね。キム:何かをしようとすれば、必ず何かが見つかる。企業や地域と連携した、全学科の学生が参加できる、大学としては画期的な授業もある。すごいチャンスが用意されている。光井:同時に学内の交流も興味を抱いて動けば無限に広がっていきますよね。キム:光井さんはどうして多摩美に行こうと思ったんですか。光井:美大に行こうと決めたのは中学生の頃なんです。アパレルに興味があったので美大のなかでテキスタイルデザイン専攻があり、ウエアテキスタイルを学べる多摩美に興味をもちました。オープンキャンパスにも行きました。そのとき最も色彩が豊かで圧倒されたので、もうテキスタイルしかないと思いましたね。キム:予備校はいつから通っていたんですか。光井:高校の3年間、部活動のように通いました。キムさんこそどうして韓国から日本の多摩美を選んだんですか。キム:私は父の仕事の都合で中学校の3年間が日本だったんです。そのとき日本の文化に触れたり、実際に接したりするうちに、全く違う要素をさらに新しいモノへと創造する考え方を展開させていくことに、とても興味をもったのです。それから日本のデザインが好きになって、将来また来ることがあればそれを勉強してみたいと思っていました。高校は韓国の芸術高校でデザインを勉強しましたが、そこの先生が多摩美の卒業生だったんです。それで先生からどれだけすばらしい大学かという話をよく聞かされていました。光井さんは入学時ウエアに興味があったと言いましたけど、今は織に力をいれているんですよね。光井:そうなんです。アパレルとか服を作る人になると思っていたのですが、3年生のときに織とウエアの授業をやっていて、私は服を作るときより、その前のパターンとか素材を考えているときのほうが好きだと気づいたんです。それで産学協同研究のときに車のシートの布地を作ったりしたんですが、素材の研究開発をしたいな、って思うようになったんです。キムさんは転向はまったくなかったんですか。キム:グラフィックデザインということでは、ずっと変わらないんですけど。私は伝達コースを選んだんですね。広告とか映像やアニメーションと28最初の目標と違っていても、やりたいことに気づく周囲を気にするのは目標が定まっていないからStudents' talk「多摩美で学び、チャンスをつかむ」

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