tonATELIER_Vol.04
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光井:私たちは4年生ですが、キムさんは卒業後はどうしますか。キム:留学生という立場と就職難で、自分だけの確実な強みが出せる戦略が必要でした。私は4カ国語が話せることをまずアピールしました。ポートフォリオも語学を生かして、学科で徹底的に訓練した内容にまとめ直して提出しました。結果、外資系の店舗デザインなどを手がけている会社からグラフィックデザイナーとして内定をいただきました。光井:私は、中学生の頃からずっと目標にしていたイギリスに留学します。3年の後期から留学する選択肢もあったのですが、多摩美で織の授業を受けない訳にはいかない、もったいないと思い、卒業したら留学しようと決めたんです。3年生の春休みにその大学に行って、入学するためにはポートフォリオとあと1年間に何を準備すべきかを聞いてきました。キム:どうりで英語のクラスで頑張っていたわけですね。留学の後は考えているのですか。キム・ヒョナさんグラフィックデザイン学科4年光井:大学院大学に在籍しながらインターンを体験し、イギリスで仕事をしたいと思っています。キム:周りの人が就活していると、あせったりしませんか。光井:3年生くらいまでは周りと自分を比べてあせったり落ちこんだりしましたけど、自分のやりたいことが定まって目標がはっきり見えているから周りのことは気にならなくなりました。キム:これから多摩美に入学してくる人って、すごく頑張った人だし、そもそも美術の大学を目指して頑張ったんだから目標を達成する意欲のある人たちだと思うんです。入学してから寝る暇もないほどの課題がでたり、また基礎から訓練されるかもしれません。しかし、強く願っている目標があれば、自然とリズムに乗っていきながら、チャンスをつかめるはずです。多摩美にはいろんなチャンスが用意されているから無駄にしない光井 花さん生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻4年で自分の可能性を見つけて欲しいです。光井:先生に「大学に入学するのは第一の難関だけど、ようやくそこから同じ程度の技量を持った同世代とのレースに参加できる」と言われたんですけど、本当にそうだなと思いました。自分と同じようにテキスタイルに興味があって作業にも一生懸命になれる人ばかりだし、想像以上の訓練を積んで、結果、力になる環境が整っている。勝負は入学してからですよね。キム:そう勝負!光井:1年2年は基礎、3年で飛躍、4年は将来に向かって踏み出す。どんどん具体的になっていく。キム:たぶんいろんな選択を自分でしないといけなくなります。多摩美は私にとってすごく重要でした。何でもあるけど、誰かがそれを取ってくれることはない。自分で判断して選択して。自分で選択したら言い訳もできない。だから頑張るしかないのです。光井:私も今までの積み重ねをもって、先に向かっていきたいです。29用意されたチャンスを無駄にしない

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