「2020年度学生支援についてのアンケート」分析結果と
それを踏まえた対応について(2021/10/22)
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学生の皆さんへ
2020年度は、COVID-19の世界的流行という未曾有の事態に見舞われ、我々の日常生活も一変しました。構内への入構制限や、人との接触を回避する必要により、他の学生や教職員と交流する機会が非常に少なかった方も多いと思います。
本学では、新たな生活方式の中で、面接授業とオンライン授業を融合した美術大学ならではのハイブリッド方式で授業を進めてきました。また、施設利用をはじめ、様々なところで新たな方式を取り入れています。
大学生活でも、2020年度は学生の皆さんには初めての経験ばかりだったと思います。2年生は、昨年、右も左もわからない状況の中に入学し、この状況に慣れるまで色々と⼤変だったことと思います。3年生は最も密度の濃い学びができる2年次において、十分満足する結果を得ることが難しかったかもしれません。4年生や修士2年、博士3年生は就職活動をはじめとする進路や自身の研究に向けて、新たな方法を模索しながら取り組むことになり、困難なことも多くあったかと推察します。
2021年度もまだCOVID-19の流行下での学生生活が続いています。1年生の皆さんにおいても新生活を迎え、慣れないことが多い中で、友人同士とも連携が取りにくい状況であると思いますし、全員がコロナ禍の対応を取る必要性はまだ続きます。
皆さんに対して、教職員一同、できる限りサポートしていきたいと考えています。そのためのひとつとして、コロナ禍の状況を把握するために、学生支援委員会では、「学生支援のためのアンケート」を実施しています。集計結果から明らかになったことについては、随時検討し、学生支援に反映しています。
2020年度は、前期末と後期末に「学生支援のためのアンケート」を実施しました。アンケート集計結果、それを分析して明らかになったこと、そこから見えてきた問題をここに開示します。
収束を願いつつ、2021年度以降もアンケートが実施された場合には、随時、集計結果と分析を公開していきたいと考えています。
本学はこのアンケート結果の分析を受け検証することで、新たに皆さんに対するサポートの拡充を進めていきます。
2021年10月22日
学生支援委員会
委員長 古谷博子
学生支援アンケート結果報告書
2020年度前期末学生支援アンケート結果および分析
開示する調査について
調査実施 | 多摩美術大学 学生支援委員会 |
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調査名称 | 学生支援のためのアンケート(2020年度前期末) |
調査方法 | GOOGLE FORMによるWEBアンケート |
設問数 | 34問+自由回答5問 |
回答期限 | 2020年10月31日(土) |
回答数 | 763 |
調査実施 | 多摩美術大学 学生支援委員会 |
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調査名称 | 学生支援のためのアンケート(2020年度後期末) |
設問数 | 41問+自由回答7問 |
回答期限 | 2021年4月12日(月) |
回答数 | 1715 |
調査結果の概要
「学生支援アンケート」では、【26.現在、強い不安や悩みはありますか。】という問いに、「ある」と答えた方が64.7%を占めており、非常に多くの学生が強い不安や悩みを抱えていることがわかりました。その中で、【26-1.「ある」を選んだ方は次から選んでください。(複数回答可)】としたところ、「就職・進路」に対する不安や悩みを抱えている学生が最も多く、続いて「学業」、「経済面」の不安や悩みを持つ学生が多い結果でした。
【強い不安や悩みの内訳上位5】
1.就職・進路 | 69.3% |
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2.学業 | 55.4% |
3.経済面 | 47.9% |
4.健康 | 34.7% |
5.対人関係 | 29.1% |
分析の結果、次のようなことも見えてきました。
- 学部3年生は87.2%、4年生は76.2%と、「就職・進路」について特に心配している者の割合が高い。
- 学費主負担者・本人のアルバイト収入のいずれも、収入減少幅が大きい層ほど「経済面」の不安が高い。
- 学部1年生は、「対人関係」についての強い不安や悩みを抱えている者が58%と高い。
- 実技、実習系授業は「面接授業」を希望する学生が61.2%と、他の授業方法と比較して高い。
- 学部生では、学年が上がるにつれて「オンライン授業」の満足度が低くなる傾向であった。
調査結果を踏まえて
この調査によって、皆さんの具体的な不安や悩みが明らかになりました。そこで、これらを少しでも取り除くためには、大学として何ができるか、何をすべきなのか、教職員で検討を重ねています。浮き彫りになったことによると、「心のケア」「就職・進路に関するサポート」「学業に関するサポート」「経済面に関するサポート」「対人関係に関するサポート」については必要性が高いことから、まずは早急に、実施できることから取り組むこととしました。この調査結果を踏まえて、いくつもの支援が決定し、すでに開始されています。
サポート
アンケート調査結果を踏まえて決定、もしくは開始したサポートとサポート内容は、次のとおりです。
【就職・進路面のサポート】
- 進路(就職)相談について
- 「メール相談」「オンライン相談」を今年度も継続します。
要望が多かったことから、今年度も「メール相談」を継続するとともに、「オンライン相談」「面接(対面)相談」は相談枠を増やすことにしました。
- 「メール相談」「オンライン相談」を今年度も継続します。
- 企業説明会について
- 「オンライン説明会」を今年度も継続して実施します。
コロナ禍での就活に向けて、「面接(対面)での説明会」に加えて、「オンライン説明会」も継続して行います。
- 「オンライン説明会」を今年度も継続して実施します。
- 進路(就職)ガイダンス・講座について
- オンライン開催やオンデマンド配信、また、キャンパススクエアやメール等でも資料配布などを継続して実施しています。
- 早くから進路について計画できるように、OB/OGによるキャリア系イベントを1年生から参加できるように変更しました。
- 卒業生支援について
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コロナ禍における卒業生支援として、今年度に次のサポートを開始しました。
①対象:本学を卒業され、既卒3年以内(2019年3月以降卒業)で未就職の方
②利用可能サービス
・資料閲覧(全ての卒業生が対象)
・就職相談「メール相談」「オンライン相談」「面接(対面相談)」
・求人票請求(請求に応じて求人票データを送付)
③タマビ就職ネットの継続利用 - TOEIC公開テスト受験料の一部負担が決まりました。(追って詳細をお知らせします)
今年度から受験料が値上げとなります。就職に直結する英語資格ですので、卒業生に対して補助を行うことにしました。 - 卒業生対象TOEICオンライン特別講座を開講します。(追って詳細をお知らせします)
TOEIC受験に向けて、各自で学習できるように特別講座を提供します。
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【学業面のサポート】
- 新型コロナウイルス対策のため3つの委員会について
- 昨年度発足した3つの委員会:①オンライン対応委員会 ②留学生対応委員会 ③PNN(Promotion Committee for New Normal)委員会を今年度も継続し、学業面でのサポートを積極的に行っていきます。
- 大学施設の使用枠拡大
- 2020/11/16(月)以降、日曜・祝日(9時〜17時)の施設利用を、学部4年・修士2年・博士課程の学生対象に開始しました。
皆さんの要望を受けて、大学施設をできるだけ開放できるように検討を続けています。まずは、進路・就職に直結する学生から施設利用枠を拡大しました。
- 2020/11/16(月)以降、日曜・祝日(9時〜17時)の施設利用を、学部4年・修士2年・博士課程の学生対象に開始しました。
- 面接授業の継続
- 今年度もできる限り面接授業ができるような取り組みを行っています。
特に実技、実習系の授業では、面接授業を望む声が高いことからも、共通教育棟等の教室を使用する、授業時間割の変更を継続して、密を避けつつ面接授業ができるように努めています。
- 今年度もできる限り面接授業ができるような取り組みを行っています。
- オンライン授業の質の向上に向けて
- PDF等の授業資料のみ配付するような授業とならないよう、今年度は動画や音声ファイルを用いるなどの対応を行い、授業の質の向上に努めています。
- 教員がスムーズにオンライン授業を行えるような対策も進めています。
【経済面のサポート(私費外国人留学生含む)】
- ワークスタディ奨学金の拡充
2021年度の採用を、44名(昨年度18名)に拡充しました。
2013年度から行っている制度ですが、コロナ禍によるアルバイト収入減に対応するため、学内アルバイトによる経済的支援となるように次のように拡充しました。ワークスタディ奨学金
採用人数:44名(昨年度18名)
支給額:20万円、120時間程度(昨年度15万円、90時間程度)
- 学業継続特別支援授業料減免制度の継続実施
新型コロナ禍における学生支援として昨年行った本制度を、今年度も実施いたします。
- 大学食堂での費用半額負担について
大学内食堂での費用の半額負担を開始しました。
経済的に厳しい状況下では、生活費の中で食費を節約する傾向が高くなることと思います。
「食」の面でのサポートとして次のとおり実施しました。大学による半額負担対象店舗
①八王子キャンパス: 東学食堂、東学ベーカリー、イイオ食堂
②上野毛キャンパス: 東学食堂
期間
2021年4月1日~2021年9月3日
【心のケア】
- 学生相談室個別相談について
コロナ禍におけるメンタルヘルス対策のために開始した「Zoom相談」、「電話相談」を今年度も継続します。
従来から行っていた「来室相談」に加えて、不安を抱える多くの学生が個別相談を利用しやすい環境を整えていきます。
- 学生相談室からの情報発信の拡充
- 学生相談室のWebでの発信を拡充します。
コロナ禍では、人間関係の不安、将来の不安などの不安が強くなりやいことと思います。できるだけ不安を軽減し、充実した大学生活に寄与できるような情報を発信していきます。
- 学生相談室のWebでの発信を拡充します。
- メンタルヘルス講座やオンラインイベントの開催
メンタルヘルスに関する様々な講座を、対面およびオンラインで実施する予定です。
これまでに実施したものは次のとおりです。①新入生対象向け動画の提供(2021年4月新年度オリエンテーションで実施)
②外部講師によるメンタルヘルスに関する研修(90分)(2021年6月実施)- オンラインランチタイムを開催します。
対人関係に関する不安や悩みのある学生が多かったことから、月1回ZOOMによるオンラインランチタイムを開催します。ゆっくりと会話することによって、様々な学科、学年の学生同士と関わったり、新しい対人関係を作ったりする機会を提供します。
- ※2021年度も引き続き、学生支援についてのアンケートを実施していきます。 対面ではなかなか表現できないような考えや思いも、是非聞かせてください。
関連情報
掲載日: 2021年10月22日