手紙を書くように

空間と時間、風景について考えながら抽象絵画を制作しています。
線と色彩で層をつくり、重なりから生まれる空間と現実の風景を重ねることで、空気や時間の流れ、手前と奥行きを感じ取れるような表現を目指しています。

ゴミ捨て場に捨てられた植物を見た時、それがまだ生きているような気がした。
枯れた植物はいつから死んでいるのだろう。
鮮やかな切り花も、生きているのか死んでいるのか、よくわからない。
それらの生と死の境目についての感覚を絵画にしたい。

人と、植物と、自然のあり方について模索しながら制作しています。
コンクリートの隙間に生息する、強く小さい生命が、やがていつか人々の生活と共存する日を夢見ているかのように見える瞬間があります。それがエゴなのか、幻想なのかは、さておき。

新聞紙で作品をつくっている。新聞紙は社会を具現化したもののように思う。自分が生きている中で感じたことなどを動物をモチーフに表現する。

子どものための本や挿絵、イラストを版表現をベースに制作しています。

撮影装置が読み込む外部の像(光)の編集による、新たな撮影表現を確立することを試みる。
具体的にはフルカラー3Dプリンターで開発する「偏像パーツ」を撮像素子の手前に配置し、その透明度や色・形状の操作によって編集した像の撮影を行う。
本作品では、撮影装置外部の構造に焦点を当て、撮像素子／編像パーツ／像の立体的な撮影手法の関係性から、最終的にデジタル画像の三次元造形作品を発表する。

1993年京都府生まれ。
母の実家である京都の古い家の影響で、幼い頃より日本の古い家屋や文化、神事などに親しみや安心感を持って育つ。
江戸時代の文化に特に影響を受け、「日本人の精神を色で表すなら青」という考えの元、現代にも続く優美さとカオスを兼ね備えた日本の精神世界をテーマに制作をしている。

大気の流れを感じてみたいと思った。
都市では安全ネットで覆われた高層ビルを目にすることがある。大気によって揺すられる広大な膜を見るとき、都市の中にいながらも揺れる木々のざわめきを感じる。そこには人工素材でありながら自然物のような美しさがあると思った。
厚さ 0.01mm の硬質ポリエチレンフィルムはこのギャラリー内の空調が起こす空気の対流を繊細に知覚し、空気のダイナミクスによって張り付きと膨らみを絶えず繰り返している。室内の気温が安定しているとき、対流は穏やかになり、フィルムの動きもそれに対応して落ち着き払ったように振舞う。

厚紙で作ったブロックやドローイングを描いた平面などを組み合わせて実空間に小さなインスタレーションを構成する。それをモチーフとして撮影した後、模様やアウトラインといった表面的な情報をPC上で抽出し、そのデータを作品の下図とする。
一度質量のない情報に変換した空間のイメージを、物質として存在する画材の色彩や質感を依代として、現実空間の平面作品として再びインストールしていく。
階層的なプロセスの制作を繰り返す度に自分の個性や美意識は解体と統合を繰り返す。

昇華転写プリントにおける、支持体のポリエステル配合率による染色の変化とその表現の研究

1「レーザー加工が施されたPP板を、手で折り作る簡易ライト。緊急事態が発生した際の備蓄スペース、運搬、コストに優れ、メンタル面にも作用されるものをと作った作品」
2「療養者の食事制限によって減らされた白米を、ネガティブなものから目と鼻を喜ばせるポジティブな体験へ変える提案。具材を包み込んだ白米を、ゼラチンで球型にかたち作り、熱い出汁によって溶けて出汁茶漬けとなる」
3「中空の石鹸。一度きりのものとなるが、中を透かせたり転がしてみたりといつもの石鹸とは違う体験ができる」

動いてるその一コマにこそ、形として捉えることのできない存在や「動き」から読み取れる線や形の美しさを引き出せるのではないかと考える。

大量に消費され、廃棄されていくビニール袋が、ヴィンテージのように捨てられることなく、長く愛されるものになり得るかということテーマにスーツなどを制作した。

水性木版画の技法を用いて制作しております。頭の中に残るいくつもの風景、そして、どこか懐かしい誰でもない誰かの記憶を集めては和紙に摺り取り、私なりの記憶の場面を作品に残しています。

Go to the kingdom of God.

画像に手を加えたり、写真の記号的な役割だけを不埒に用いたりすることは、鑑賞者がその眼差しの先に、”かつてそこにあった”を見るという、写真の約束事を断ち得ず、逆説的にその約束が強固なものであることを示す、と考えます。
変わりゆく写真の受け取り方に対して、素直でない態度と言えるかもしれません。写真は私の横を通り過ぎていきます。

記憶のピースをひとつひとつ思い出しながら、絵の具を置いていく。
少ない筆跡をきっかけに、物の形や景色の広がりを把握することができる私達の頭には、沢山の記憶が詰まっていることがわかる。その中でも、生きていく上で必要不可欠であり、視覚的な記憶だけでなく、味覚・嗅覚の記憶まで連鎖的に思い出すことができる「食」についてを、絵画を通して鑑賞者と共有したい。
感染症拡大を経て、私たちの食は大きく変化している。1人で食事と向き合うこの時間も、記憶となって私たちの頭に残っていく。

ものが並ぶことで成す空間や、光であそぶことを考えながら作品をつくっています。

OFADとは「Observable from All Directions(全方向から観察可能)」の略称である。このプロジェクトでは「全周観察型立体ディスプレイ」の開発やオープンソース化、コンテンツ制作を通じて、このメディア装置を使った、表現やサービスの可能性を探求しています。

人々の様子を俯瞰で描いています。見ている側の人が、肩の力を抜いて、ちょっと笑顔になれるような瞬間を作りたいと思いながら制作しています。

関係し合うことで生まれた可能性を、いつでも別の可能性へ変化させられる「あそび」をもたせた形を描く。ある答えを導き出すためではなく、意味の変化や、飛躍を楽しむこと自体を目的にした関係性を生み出すため、ビーズや折り紙のような、ひとつの使い道だけでなく、それを扱う人のひらめき次第で、繋げる、並べる、動かす。といったことが容易にできるもの＝「ルースパーツ」をモチーフに制作を行う。

動物園という、人間の作り上げた人工環境と動物の調和を目指して構成された景観。その場所での取材を通し、動物と人間の関わり合いを作品に昇華することを、制作の主目的として捉えています。

在学時代に描いていた風景画の向きを変えてみると、正位置では感じ取れない美を感じた事をきっかけとし、具象絵画から抽象絵画へ移行してゆく。
自己の内面を限りなく掘り下げていき、下書きをせずペインティングナイフを使い油絵具をキャンバスに積み上げてゆく、制作を進めるうちにその形は消え、また作り、そして壊す、言うなれば身体性反射運動により形が連鎖して成形されてゆきます。それは特定のイメージを持たない、行為による絵画である。
ペインティングナイフが持つ筆には出せない偶発性、そして視覚表現ではない行為による抽象絵画表現を模索していきたい。

バイオアートの研究制作を行なっている。現在、顕微鏡写真を利用した作品制作をしている。

※写真は過去作品です。
二次利用可能なフリー画像素材に物語を与えることで、素材として作られた作品性を青春の1ページとして再構成する。

IT技術の普及に伴いテレワークが進み、自宅で過ごす時間が増えることで暮らしの質が重視され始めています。特に子供がいる家庭では、暮らしに対して関心が高く、郊外への移住を考える世帯が増加しています。
従来プライベート空間は屋内のみでしたが、家族の時間が増え、より良い暮らしを目指していく中で、庭もプライベートな空間の一部へ変化していくと考えます。
庭で多くの時間を素足で過ごすライフスタイルに対し、居間・キッチンを庭と繋ぐアプローチを模索し、従来のように隔てるのではなく、内と外をなだらかに繋ぐグラデーションとしました。
足跡が残る珪藻土の床。開放感のある庇。二つの空間をなだらかに繋ぐ扉。自然と触れ合い「庭で暮らす」という新しいライフスタイルにおける「暮らし」と「庭」を”なだらかに繋ぐ”プロダクトの提案です。

1.リサーチ・アーキテクツ二級建築士事務所
2.リサーチ・アーキテクツ二級建築士事務所
3.東京大学工学部社会基盤学科 交通・都市・国土学研究室

色とものごとの関係について

日々の制作は、日記のようなもので、写真を撮り、絵を描くことにある。
幼い頃から、ある瞬間を永遠に捉えたいような気持ちがあった。すべり台の下に咲く淡紫色の小花はすみれと呼ぶのだと知ったとき、蝉の羽化する姿を公園のすみで見つめたとき、動物園に行くまでの間に入ったスーパーのエスカレーター。特別な瞬間も、そうでない瞬間も、心の中に触れて過ぎ去ることがある。
そして、過ぎ去ったものが現れることは二度とない。毎日、毎時間、毎分、毎秒で、景色も光も気持ちも感覚も、何もかもが変わる。多くは忘却し、別の瞬間と遭遇したときに近しい記憶として蘇る。
二度と思い出さないこともあるだろう。自覚のないまま、忘れ失うことをもの悲しく思う。ずっと、永遠に、できるかぎり、そのままにしておく。消えてしまわないうちに、消えてしまわないために、紙やキャンバスにしまい込んでいる。

《Co[ding/mmenting]》はストリーミングによるライブコーディングパフォーマンスの実験的インスタレーションである。作者のライブコーディングの過程を学習したAIは、ストリーミングサービスのコメント欄へコーディングを行い、その様子が映像として中継される。AIによってコーディングされるコードはテキストとしてストリーミングされ、連続的な接続と同期によって届く。

「それはかつてあった」などと誰が断言できようか。
写真によって記録された情報を余すことなく自分の記憶と照らし合わせることなど僕にはできない。
僕が写真を撮った後に残るものは過去の可能性としての断片と、薄れていく僕の記憶に重なり合う輪郭だけである。

初めにパソコンで絵を描き、デジタルデータの画像を一度作成する。その際、ある画像データを一度テキストデータに変換し、内容を書き換えることで作成した「バグ」をモチーフの一部として用いている。
「バグ」は自身の意図とは無関係な情報の破損として表出し、画面に偶然性をもたらす。作成したデジタルデータをもとに現実の絵画に移行していく。
素材には、箔や岩絵具を用いることで無機質な画像データに物質感を持たせている。
この移行作業は長い間スマートフォンやパソコンで作業した後、現実の世界に引き戻されるような、データの世界と現実の世界を出入りする感覚に似ている。

街で何かを発見し、思わず「あっ」とカメラを向けシャッターを切る。「あっ」は“あるがままの姿”として、いとも簡単に定着していく。このようなスナップショットの手法を、映像(＝連続した写真)へと応用する。写真の決定的瞬間「あっ」は映像という時間の中で「あーーー」と引き伸ばされ、被写体は無防備な本来の姿を露呈することになる。写真というメディアの持つ特性や限界を考察しながら、「写真のようなもの」を用いて作品を制作している。

外と内の境界のない中庭(Patio)に人の行動や現象、事実を“器”として並べていく。その器に何が入っているのか、もしくは何を入れるのかによって、絵画が目の前で起こるシーンとなり動き出す。
人／物／事象のその場の関わりや相互の距離により、再びその土地が変化し、制作者や鑑賞者が予測していない展望を迎えていく。
今まで続けて制作してきたインスタレーション作品の中で起きる現象と状況のバランスを、現在、描いている絵画へ繋げ、予期せぬ様々な情景を見続けていきたいと考えている。

作品は見る人によって当然印象も感じ方も違う。具体的に描かれた平面の中で、固定されたイメージだけではなく、見る人それぞれが違ったイメージを持ち、それぞれの物語を創造させるような作品をと研究している。

舞台の上演を想定し、制作した舞台衣裳/装置の展示。

写実表現を用いたイラストレーションを制作しています。

カメラを持って踊る映像作品を制作。

都市生活史を起点にパフォーマンス/インスタレーションを制作。主に山水画の遠近法を用いて空間と共同体を作る。他、外部でのパフォーマンスディレクション、舞台出演もする。

herd mentality
[意:群衆心理]

駅ですれ違う人、コンビニで接客してもらう人、宅急便を運んくれる人、私はその人たちの名前を知りません、家族のことも、出身地のことも、好きなことも嫌いなものも、なにも知りません。
彼らには一人ひとり、彼らしか知らない壮大な物語を生きているのでしょう。全員にそれがあるのだと想像すると途方もない気持ちになります。でも、彼らはきっと、朝に起きて、ご飯を食べて、仕事をして、夜に寝ているのでしょう、私とそんなに変わらないはずです。
この作品は一人ひとりが主人公ではありません。集団としての、ある程度秩序だった群衆としての、言ってしまえば少し面白味のないような、そんな物語を想像します。

映像の不可視性から、映像の中の世界とこちらの世界をつなぐ「スクリーン」に興味を持つ。ここではないどこかに接続することをスクリーン的と広く解釈し、多様なメディアを用いて制作を行う。
近年では映画の終わりに流れるエンドクレジットをモチーフにしたシリーズなどがある。自身の作品は、「門」のような存在になることを理想としている。