Urlandschaft
雨下 乃絵
作者によるコメント
タイトルの「Urlandschaft」は人の手が入っていない土地、風景という意味のドイツ語で、日本語で言う原風景の語源となった言葉です。
今回の作品は、私の中にある原風景をテーマに、心惹かれる複数の景色をひとつの空間として構成し、制作しました。
複数の景色に共通する要素として「人に縛られない」ということが、心惹かれる理由だと感じています。
また、これまでの作品には風景の中に必ず鳥を描いてきました。鳥の中でも、鳩は人間との距離を一定に保ちながらも、目的を見失わずに行動しているように思えます。
そんな鳩であるからこそ、変化していく事象の中でも変わらず自由に在り続けて欲しいという想いから描きました。
担当教員によるコメント
廃屋に残された宙吊りの配線、壊れた壁に時間の流れを感じる。雨下はこんな寂しい空間を主題に選んでコツコツと描き込んだ。
現代は文明が進んだ様に見えて、ひと時代前と同じ戦争を平気で行っている。
そんな今を作者は感じて表現したと考える事も出来る秀作だ。
教授・八木 幾朗
- 作品名Urlandschaft
- 作家名雨下 乃絵
- 作品情報素材・技法:岩絵具、水干絵具、雲肌麻紙
サイズ:H1940×W2590mm - 学科・専攻・コース
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