猟奇歌-野良犬編-

川崎 なつ

作者によるコメント

夢野久作の詩集「猟奇歌」の世界観をよりリアルに感じるため、
四百首以上ある中から選り抜いたものを「他人」「男と女」「自我」までの三篇にまとめ、冊子として再構成しました。
自分の中にある程度形作られた「美しさ・丁寧さ」からは真逆のもの、
無作為で不確定な要素を詰め込むことで混沌とした猟奇歌という詩の世界を表現しています。

担当教員によるコメント

夢野久作の短歌『猟奇歌』の世界を、彼女自身の圧倒的な画力と膨大な情報の集積のコラージュによってビジュアル化を試みた。非常に難解な世界を、自分と向き合い掘り下げていくことに成功している。コンピューターによるインスタントな作品表現が多い中、アナログの力を思い知らされたような力作である。

教授・大貫 卓也