蒸気機関者

黒住 建仁

作者によるコメント

今の僕があるのは、きっと色んな”ヒーロー”がいたからだ。

テレビの中、学校、社会、家。色んな場所で出会った。

ヒーローたちは、僕に「一人では行くことのできない景色」を見せてくれた。そこはワクワクして、夢中になれて、心が熱くなる、不思議で素敵な場所。子供の頃の僕には、知る由もない景色。

そんな場所に到着させてくれたから、今の僕はある。

ありがとう。僕はこれから、ここで頑張る。


[撮影協力]
山本 彩乃、谷 太志、中村 真理

担当教員によるコメント

「オリジナリティの探求者」
黒住建仁を強く認識したのは、2年生の基礎課程の授業である。その授業は2年生全員が同じ課題の元、ある目的を辿る事でデザインを学ぶ授業ではあるが、彼は、誰からも教えられる訳ではなく、独自に3Dの技術を学び、3Dプリンターを購入し、回転する事で文字になる「文字ゴマ」なるものを作成した。そしてそれを、この卒業制作間際まで文字の数を増やし続けてきた。僕が彼に一番驚く事は、作品の質や制作の姿勢も勿論だが、自分や他者に対してとても素直で、まっすぐな事だと思う。ノンカテゴリーで自分の立ち位置など軽く飛び越える事が出来るレジリエンス能力。この作品は、誰かや世の中や他者の作品など、まったく気にしない、本当のオリジナリティが詰まっている。

准教授・平野 篤史

  • 作品名
    蒸気機関者
  • 作家名
    黒住 建仁
  • 作品情報
    技法・素材:発泡スチロール、アクリル、ゴム、プラスチック、ステンレス鋼、合成樹脂塗料、発光ダイオード、変成シリコーン、他
    サイズ:H2000×W1000×D1000mm
  • 学科・専攻・コース