灰色コウモリ教

鈴木 明日美

作者によるコメント

白でも黒でも、鳥でも獣でもない「灰色コウモリ様」は物事を2つに分類しようとする窮屈な世界に一筋の光を与えてくださいました。(『灰色コウモリ教典』第1章 教祖様誕生 より)
イソップ寓話『卑怯なコウモリ』では、コウモリは「卑怯者」として扱われました。
ですが本当にそうでしょうか?多様性が認められ始めた現代では、かつて「卑怯者」と言われたコウモリは「柔軟」で愛嬌のある素敵な存在になってくれると思います。

担当教員によるコメント

なんでも白か黒か分ける必要はなく、もっと柔軟に考えてはどうだろう。そんな生き方のメッセージを鳥にも獣にも仲間外れにされたコウモリが教祖となって親しみやすく伝えている。コウモリ教のお告げとして書かれたメッセージは笑えるものから、ハッとさせられるものまで、とても熟考されている。一見すると可愛らしい絵本のようだが、現代の窮屈なライフスタイルを変える力を持った提案力のある作品である。

教授・大貫 卓也