fragile
濵口 汰虎
作者によるコメント
ふと公園に立ち寄ると昔よく遊んでいた遊具が新しく安全性の高いものに替わっていたり、使用禁止になっていたりして、それを見て少し悲しくなる事が多々ある。
このままコロナや安全性の見直しなどが原因で使用禁止になっていく遊具が増加し、ほとんどの遊具がなくなってしまったら世界はどうなってしまうのか、と考えたのがきっかけで生まれた映像作品です。
担当教員によるコメント
SFマインドにあふれた黙示録的世界を断片的なイメージの集積で予兆的に描き出した濵口汰虎。いたるところに出現した巨大な遊具、ひと気のない街並み、目を疑う超常現象……世界はいったいどうなってしまったのか?という壮大な物語の予告編のような作品で観る者の想像力を掻き立てる。あえて明言しておくと、彼はスウェーデンの作家、シモン・ストーレンハーグの諸作品に感銘を受けたという。それは非日常的な風景がなんらかの情感を喚起させるという点であろう。そして、触発されて溢れ出た自身のイマジネーション=日常から消えゆく遊具への郷愁を卓越した描写力でアニメーション作品として定着させた。このミステリアスで魅力的な世界の全貌と結末をいつの日か観てみたいと思う。
教授・野村 辰寿
作品動画
- 作品名fragile
- 作家名濵口 汰虎
- 作品情報映像
技法・素材:CLIP STUDIO PAINT、After Effects
サイズ:映像=3分10秒 - 学科・専攻・コース
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