Birthday King

宮下 怜

担当教員によるコメント

箱状の焼き物を積み上げて、巨大なバースデーケーキをつくり、「バースデーキング」と名付けた。1人で祝う誕生日をより派手に寂しくするためのもの、というアイロニカルな設定だ。カラフルな色は、酸化金属と調合した粘土を表面に塗って透明釉薬をかけて高温で焼成したものだ。ヒビや釉薬の縮れといった細かな現象が表情となり哀しさを醸している。「自分は傲慢で欲深く、荒っぽい人物で、その捻くれた根性を粘土でひねり上げたものです。」1年生の時には気持ちばかりが先に立ち最後まで上手く制作を重ねる事ができなかったが、あきらめず作り続ける事で作りたいという衝動と制作というプロセスに落とし込んで行く心身の技術に発展させた事を喜びたい。

教授・尹 熙倉