Wickets of the world

橋本 悠希

担当教員によるコメント

ネット上のSNS等に無数にあるプロフィール画像を選び、釉薬で描いて高温焼成する。描かれた肖像画は、焼成によって釉薬が溶けて流れて、混ざり合い、もとの表情がみえなくなるほどに人物の顔を歪ませたりしながら、不思議な肖像を作り上げた。ネットという流動的な世界にある肖像画像の虚実は、「以後1万年以上存在し続ける強靭な“実”である陶に焼き付けられる事でより際立つ」と橋本は語る。
橋本は携帯電話によるコミュニケーションやSASの画像など今日的なものをモチーフにつくる事が多かった。どこにでもある身近なモチーフだが、橋本は「素材と手の領域」に引き込んで、且つ、執拗に200点近く作ることで、自分の表現として変換することに成功した。

准教授・尹 煕倉