ジョン・ケージの作品から見る視覚芸術と音楽の相互作用性
真鍋 朋子
作者によるコメント
ジョン・ケージの音楽作品と視覚芸術作品がお互いに相互作用していたことについて、主にケージの70年代以降の作品を取り上げながら論じた。ケージは音楽家であるが、70年代後半から視覚芸術作品を精力的に制作していた。ケージの作る音楽作品と、版画などの視覚芸術作品は、作品制作のシステムを通して繋がっている。そして、その作品制作の手法や規則は、鈴木大拙の禅やソローの思想に影響を受けていた。
担当教員によるコメント
ジョン・ケージ(1912-92)は実験音楽家としてよく知られているが、彼は美術作品あるいは視覚芸術作品も数多く制作していた。真鍋さんは、あまり注目されることのないケージのその側面に関心を寄せ、ケージの音楽制作と視覚芸術制作の相互作用について深く考察している。また、ケージが鈴木大拙に傾倒していたことはよく知られているが、真鍋さんは、禅の思想がケージの音楽制作と視覚芸術制作を繋いでいたということも論証している。そうした真鍋さんの研究は、ケージという多面的な芸術家の全体像を再構成する可能性を感じさせる。
准教授・大島 徹也
- 作品名ジョン・ケージの作品から見る視覚芸術と音楽の相互作用性
- 作家名真鍋 朋子
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