私と鳥とオオカミ

松川 美鈴

作者によるコメント

私も鳥もオオカミも、集団の中で生きる動物です。“群れ”について私が考え感じたことを、規則的に飛ぶ鳥の群れや、群れからはぐれたオオカミを通して、ひとつの物語にしました。

担当教員によるコメント

絵と言葉が同時に扱われた媒体に接すること。たとえば漫画。たとえばアニメーション。たとえばゲーム。たとえば絵本。たとえば映画。たとえば映像配信。たとえばSNS。カテゴリーは流動化し、また個々の表現物の数は膨大だ。しかし、表現の細分化が進む中、トータルなひとつの構造物として扱おうという意思を持つ者は思いのほか少ないように感じる。「集団と個」というテーマ自体、まさに今わたしたちが悩みながら、何とか手掛かりを掴みたいと渇望しているものだが、多くの人は突破口を見出せずにいるだろう。そこに挑みつつ、非常に丁寧な仕事で向き合っているところに、抜きん出た力量を感じた。その核にあるものを、時間をかけてじっくり育てて行ってほしいと思う。

教授・佐藤 直樹