うぇざりんず

六反田 栞利

作者によるコメント

この作品は時間の経過がテーマになっています。
時間が経過して物事が変化していく様子は、マイナスなイメージに受け取られることがしばしばあります。一方で、時を重ねることによって人や物は深みが増したり、愛着が湧いて魅力的になっていきます。その魅力を伝えるため、キャラクターたちの過ごした時間をウェザリングの表現を中心に用いて表現しました。

担当教員によるコメント

六反田栞莉は4年間を通じ主にキャラクターデザインを中心として制作を行ってきた。本卒業制作で六反田は「錆、染み、傷、黴」など一見マイナスなイメージとして捉えられがちな現象に着目し、これらマイナスなイメージを固定観念にとらわれない素直な視点で観察してきた。そして、物に付随するこれらの現象が「美しさ・時間・記憶・物語性」の集積であること見出し、作品を通じてポジティブなイメージに変換することに成功している。この取り組みは表面的なキャラクターデザインの枠から逸脱し、愛着や共に過ごした記憶をキャラクターの中に内包させた、新たなキャラクターデザインのあり方を提案する試みであり、固定観念の外側に新しい物事は存在するということを突きつけているようだ。

准教授・加藤 勝也

  • 作品名
    うぇざりんず
  • 作家名
    六反田 栞利
  • 作品情報
    立体
    技法・素材:素材=PLAフィラメント、レジン、スポンジ、綿、紙/技法=3Dプリンター、ZBrush、Blender、Illustrator
    サイズ:H100×W150×D100mm、他
  • 学科・専攻・コース