“Come, let us build ourselves a city, with a tower that reaches to the heavens”
ZOU Mingsen
作者によるコメント
購入、販売、陳列、そして注文、到着、受取、これは現代の人にとって欠かせないだと思いますが、そのすべて行為が人類の文化や発展に関連しています。
今回、私が中古ショップで購入したスペインの人形や日本の埴輪と様々な商品を合わせて作品を制作しました。グローバル化が進行しているこの時代では、それぞれ異なった文化背景を持つオブジェから連想し、昔の暴力的な植民地貿易を開拓する歴史から発展して来たグローバリゼーションを表現したいと思いました。この作品を通して、インターネットでの普及や運輸手段の発達の現代において、「ポストコロニアリズム」についての認識を改めて考えました。
担当教員によるコメント
人類の尽きることない物質的欲望は、経済的発展と、そのために越境を繰り返す征服の歴史を産んだ。こうした大きな歴史批評を根幹に据えた本作だが、作者は語り口に日常に溢れる消費物を介在させ、あえて即物的で軽やかな作品に昇華した。制作に用いられた中古の民族的オブジェや、意味をなさない史実や言説の描かれたパッケージ商品などは、皆その表面に作者が植民地主義の片鱗を読み取ったものである。それらを選択・購入し、おもちゃの様に並べ、積み上げ、カラフルに組み合わせながら、膨大な数の商品が生産され流通する世界で、薄っぺらな物質主義に巣食う私たちとその批評軸の曖昧さを対象化した。結果、逸脱した文脈や散文化した物語が支配的な時代を捉えることに成功した。
教授・笠原 恵実子
- 作品名“Come, let us build ourselves a city, with a tower that reaches to the heavens”
- 作家名ZOU Mingsen
- 素材・技法ミクストメディア
スペイン木彫人形、埴輪、天然水、リッツ、小麦、ビニールプール、馬フィギュアなど。 - サイズインスタレーション サイズ可変
- 学科・専攻・コース
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- 担当教員