With Corona

粂田 匠汰朗

作者によるコメント

コロナと共に過ごした4年間だった。
オンライン授業、ソーシャルディスタンス、PCR検査、濃厚接触者、クラスター。
夢にまでみた大学生活がこんなにも、辛く苦しいものだとは思わなかった。
そんな中で抱いた怒り、悲しみ、困惑、不安。
それらの感情と出来事を描こうと思った。

担当教員によるコメント

 粂田との出会いは、二年生基礎課程のポスター作品だった。自身のワンマンショーのパブリシティーを制作する課題である。パステル等によって描かれたモノトーンの奔放、且つ生々しい表現はいまだ忘れられない。
 卒業する四年生達は大学生活をコロナに翻弄された最たる学年である。希望に満ちた入学当初から人々と集うことを絶たれ、若者らしい発散を許されない悶々とした時間を強いられた。それぞれに湧き起こったであろう数々の葛藤は我々には想像し難い。粂田はこの負の経験を思い切り卒業制作にぶつけることにした。ストレートに、そして、続けてきた彼らしい生々しいビジュアルで、である。リアルなテーマは強い。魅力的なコミュニケーションを生み出した。見事な記録のグラフィックデザインと言えよう。

教授・澤田 泰廣