CHAIRS

鈴木 咲絵

作者によるコメント

日本人が1日に椅子に座っている時間は平均約7時間と言われています。これは世界で最も長い時間だそうです。
そんな私たちの不健康な生活を改善するために、座るだけでなく、見ていて楽しくなるオブジェのような椅子を制作しました。
個性豊かな椅子を眺めるために、たまに立って休憩してみるのも良いかもしれません。

担当教員によるコメント

独特なデフォルメと色彩豊かなクロスハッチングを主体とした描画表現によって、動植物から衣食住まで描き分ける技術。さらに、ブックデザインからアニメーションまでこなす器用さも兼ね備えた鈴木咲絵が卒業制作の中心に選んだのは立体へのチャレンジである。オリジナルの椅子のカタログを作りたいという想いから、淡々とした作業の積み重ねによって77点ものミニチュアを作り上げた。
ドローイングから立体制作、そしてブックデザインに至るまでの制作過程を見ていて感じたのは、表面的なデザインセンスだけでなく、創作にのめり込む情熱を兼ね備えていることだ。それこそが鈴木の作品にビジュアルコミュニケーションとしての説得力と凄みを持たせている秘密のひとつだと思える。

准教授・高橋 庸平