1/6 gravity

松田 慎之介

作者によるコメント

「歩く」をテーマにした、ファッションショーです。
舞台は月面で、人類が月面に都市を形成して少し経った近未来を想定しています。
重力が地球と比べて1/6である月面では服の美しさが何であるかが全く変わってくると思います。
例えば、重力が1/6だからこそできる浮遊感だったり、ずっとヒラヒラしている布であったりなどです。
このファッションショーを見て、宇宙や月面などの想像もつかないような別世界への好奇心を持ってくれたらと思い制作しました。

担当教員によるコメント

 地球の六分の一しかない重力環境(月面)で繰り広げられる〝ランウェイ〟を独特の感性で描ききった松田ワールド満載の卒業制作。シャープな美意識で貫かれた演出、ファッションやスペースデザインの細部にわたる執拗なこだわり、目まぐるしく変化するアングルとスピード感、スケールを拡張させるオリジナル音楽等、見るものを惹きつけて止まない素晴らしい映像作品だ。正に圧巻のクリエーションである。
 やりたくてしょうがない世界があって、それを成すために大いに悩み、兎に角必死に汗をかく。様々な犠牲も厭わずひたすらのめり込む時を過ごす。この実体験こそが美術大学で学ぶ一番大切な意味だと思う。松田は見事な成果によってその価値をも証明してくれた。心から拍手を送りたい。

教授・澤田 泰廣

作品動画