平和・共存のかたち
リ セイシュン
作者によるコメント
人間の共存には人種差別、男女不平等などの問題が常に存在している。自然界には全く異なる種の動物同士の平和な共存関係があることを知り、その不思議な関係の中に「共存による美しさ」を見出した。人と人との平和共存を表現する「共存の形」を表現するため、 動物の特徴を組み合わせ、「共存の形」を抽出しウェアラプルな立体造形を制作した。動物の共存の美しさを通して、人間の平和的な共存の可能性を問いかける。
担当教員によるコメント
世界では、対立と紛争、差別が絶えることなく深く根を張っている。リさんは人間社会の暗澹たる状況に平和と共存を問いかけ、構想を進め、動物同士が助け合う不思議な同盟の存在を知った。ナイル川流域の小鳥と鰐、スリランカの原始林の鹿と猿、アマゾンのカエルと蜘蛛、これらの動物の特徴をコラージュし新種の生物を誕生させるように編む。糸の一目一目すべて繋がり秩序を作る編構造は、異なるものを分断しない考えにふさわしい。リさんは、複眼的な思考を磨き、制作技術の精度を求めて真摯に取り組んできた。二つの生命力が融合した円形に広がる模様を人が纏うと、有機的なかたちが生き生きと立体的に現れる。リさんのかたちのように、私たちはいつか平和な共生を得られるだろうか。
教授・川井 由夏
- 作品名平和・共存のかたち
- 作家名リ セイシュン
- 素材・技法技法=かぎ針編み、機械蝙み
素材=ポリエステル、ウール、ナイロン - サイズH1700×W4000×D5000mm(3点)
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