難破
岩科 純礼子
作者によるコメント
男性からのセクハラを何回か受けたり、見たりして生まれた考えをアニメーションにした。古来より歌やダンスは人が人を誘惑するためにあり、生物的に男女間の誘惑は存在する。しかし唐突に同意なく性的な目的で触れられれば心だけではなくそれまでの信頼関係も傷ついてしまう。そのやり取りをえがいた。最後、男性が女性の欠片を握っているシーンに「男側としては捨てて、忘れてしまいたいので、違和感がある。」との意見をいただいた。私自身、男性目線になりきれていないまま作品を終わらせてしまった自覚があり、制作終了後も、向き合い続けた。考えるうち、あれは私の願いであると気づいた。一瞬は私たちの永遠になり得る。捨てる、忘れるなど、絶対に許さない。
担当教員によるコメント
独特なタッチで描かれた手書きのアニメーション作品。モノトーンで描かれた画面が美しい。”女性だけが住む島”に流れ着く、、、という設定が「東京島」や「蝿の王」を彷彿させるが、作者のオリジナリティーは保たれている。笑いを誘うコミカルなシーンもあるが、全体を通してミステリアスな雰囲気を維持しているのは、描かれた女性達の”瞳”ではないだろうか?作者はストーリーがある作品に挑戦するのは初めてで、指導する側も最初はなかなか作品のテイストが見えず心配したが、作者の試行錯誤が最終的には作品の完成度に繋がった。個人的には”砂”や”波”、”雲”などの自然の描写がとても美しいと思う。
教授・原田 大三郎
作品動画
- 作品名難破
- 作家名岩科 純礼子
- 素材・技法Procreate
- サイズW1600×H900px
- ジャンルアニメーション
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー