エドワード・ウェストンとイメージメイキング——写真の近代化
佐久間 大進
作者によるコメント
エドワード・ウェストンによる写真における抽象を、イメージメイキングと写真の近代化というテーマにおいて捉え直す。特に1930年後半の風景においてウェストンが被写体との共依存関係を解消し、抽象写真を達成することを指摘しつつ、これを写真というメディウムの性質に関する比較的新しい写真哲学や歴史的な理解に照らし、写真と被写体と写真家の関係や、写真における内在性といった問題に注目することで、写真の近代化の流れの中で彼の制作を再考する。
担当教員によるコメント
佐久間さんは、20世紀前半のアメリカの写真家エドワード・ウェストンを取り上げ、特にウェストンが彼の写真表現において追求していった抽象性や、被写体からの逸脱性、自律性といったモダニズム的な問題を考察した。佐久間さん自身も写真家として活動しており、本論文での彼の考察は、その作家活動において得られてきている撮影経験や問題意識の支えをもって、鋭く展開されている。この佐久間さんの論考は、写真論として興味深いのみならず、モダニズム芸術全般におけるミディアムの問題や、作家と表現対象との関係の問題を考えるうえでも、とても刺激的で参考になる。
教授・大島 徹也
- 作品名エドワード・ウェストンとイメージメイキング——写真の近代化
- 作家名佐久間 大進
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員