circle

柴田 俊明

作品解説

マックスビル氏がデザインしたウルムスツールを改変し、16個繋げて円形になるスツールを制作した。このスツールはパブリックスペースにも設備として順応し、さまざまな環境や人々に繋がりをもたらす。この天板の形状は後ろに手を置いたときの身体のかたちでもあり、円を構成する一単位でもある。

作者によるコメント

circleという言葉には、大学の「サークル」に代表されるような、部活や友達の集まりみたいなニュアンスがあります。円という形を超えて、人どうしや環境に繋がりをもたらせたら嬉しいです。実際に、展示期間を通して多くの方々に触れて、座っていただいたことで様々な人と人のつながりを目の当たりにすることができました。ありがとうございました。

担当教員によるコメント

Max Billの不朽の名作であるウルムスツールに柴田はcircleという概念を取り入れた。ウルムスツールの長方形の座面のかたちに対して、この作品は円環を16等分にした円弧の座面のかたちをしている。1脚の座面のこのかたちの力は、身体に対して円弧の内側に向く行為と外側に向く行為を生み出す。16脚を揃えて並べると正円が成り立ち、広い空間の中では円の外側と内側の境界を作り、正円の中心に向かう場の力を生み出す。このcircleという極めて単純な概念とかたちの力が身体と環境に強い影響力を持つことを柴田は確信を持ってこの作品の制作に取り組んだ。円弧のかたちにならった補強の為の丸棒のデザイン、かたちがcircleの概念を際立たせている。

教授・深澤 直人、教授・長崎 綱雄