芸術で紐解くかき氷という食文化
大塚 理紗子
作者によるコメント
かき氷は、日本の夏の風物詩である。現在では「創作かき氷」という新ジャンルが登場し、1年中かき氷を食べられるかき氷専門店が約500店舗に及ぶなど近年凄まじい変化を遂げているが、発祥は平安時代まで遡る。文献をはじめ浮世絵、雑誌、漫画、映像作品といった芸術作品から「かき氷」の歴史を紐解き、かき氷機や氷の作られ方、種類や違いなども参照しながら現在の「創作かき氷」に至るまでの変遷を探った。これからかき氷の歴史書となることを期待している。
担当教員によるコメント
大塚さんから、かき氷について卒論を書きたいと相談をうけ、かき氷の現在の需要だけでなく、文化史や美術作品からも調べることを助言しました。かき氷をテーマとする書籍は少なく、基本文献リストもない、あるときは雑誌社の力をも借りながらの資料・写真集めでした。『宇津保物語』では氷のみだったが、『枕草子』にはシロップとして「あまづら」をかけていたことがわかり、当時の精製方法まで調べる力の入れようは、かき氷を食べること、そして新しいかき氷を創作することも大好きな大塚さんならではの展開です。浮世絵やアニメに登場する場面からかき氷の効果や魅力を読み解く等、網羅的ではないものの、かき氷の文化史に小さな一歩を築きたいという彼女の野望を実現し得た論文です。
教授・家村 珠代
- 作品名芸術で紐解くかき氷という食文化
- 作家名大塚 理紗子
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員