LOST.
鈴木 愛佳
作者によるコメント
スマートフォンによって、なくなってしまった瞬間をカルタにした。
今や、スマートフォンは私たちの日常生活に欠かせない存在である。その普及により、私たちの生活は格段に便利になった。だがそれは、本当に豊かになったと言えるのだろうか。
利便性を追求し、失われた時間、感情、幸せがそこにはあったはずだ。
担当教員によるコメント
鈴木の作ったカルタ「LOST」は一見地味に見えるかもしれないが、よく見ると実に痛烈なメッセージだ。
スマホの登場によって便利になったことと引き換えに失った多くのこと。それをカルタの札にしている。
ヴィジュアルはテレビの国民的アニメ風、カルタケースはアイフォンのパッケージ風。何とも、さりげなく気が利いている。そして、そのカルタたちを見ると、驚くほど私たちが失ってきた幸福な時間の多さに愕然とすることになる。昭和生まれの人間は必ずぐっとくるはず。いつ、どこで、誰に対して見てもらうかで作品の価値が大きく変わる作品だと思う。
教授・大貫 卓也
- 作品名LOST.
- 作家名鈴木 愛佳
- 素材・技法Illustrator、CLIP STUDIO PAINT
- サイズ箱=H35×W110×D154mm/札=H70×W95mm(90点)
- ジャンルアートディレクション
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー