清水作業中

清水 悠

作者によるコメント

作ったものがそこそこ溜まってきたので、それを見直してみようと思いました。描いた絵とかが無理をしないように見えてくれるといいなという気持ちで、針金を巻きつけたり、ぶら下げてみたり、ピロピロさせてみたりしました。作る時は、とりあえず動いてみたり、何かの途中だったり、よくわからなかったり、適当だったり、直感だったり、でもやっぱり知ってる形にしようとしていたりします。普段の作ることも大抵その様な調子で、しょうもないことや可愛らしいことをしてみます。最近だとこけしを作りました。作ったもののほとんどは手に取れるくらいの小さなものたちで、ところどころ姿を見せてくれます。散歩の時に見つけたちょっと気になる小石みたいです。小石は実はいろんなものに囲まれてあります。その中で生きてます。川とか柵とか鉄塔とかいろいろあります。馴染みのある景色です。でも、よくわからないです。ちょっと楽しいかもしれません。これはそういう作業です。

担当教員によるコメント

ものを作るという行為には、手を動かし、形にしていくことで初めて立ち現れてくる何かがあるように思う。清水にとって本作は、今まさに自分の中でぼんやりと浮かんでは消えるイメージの断片を組み合わせながら、それらを確かめていく試みであったのではないだろうか。直感的な素材の使い方や構成の中には、作り手の思考が次々と連鎖し、展開していく様子が映し出されており、見る者に「増殖する思考」が形となって立ち現れる瞬間を体験させてくれる。ひとつひとつの形は、あいまいで、しなやかな余白を残している。その佇まいは、世界に開かれた「未完の言葉」のようでもあり、同時に、作品に向き合う作者の深い思索の跡を感じさせる。静かな魅力と問いかけを湛えた、印象的で優れた作品である。

准教授・大矢 雅章