船とさかな/屋上
西山 綾香
作者によるコメント
しばしば頭が混乱して変な道を走り回ったりもしましたが、今絵を見てみるとフンフフーンって鼻歌している時みたいな気持ちに似ていると思いました。
担当教員によるコメント
日向の匂いがする。魚のような、釣り竿のような、人のような。パラパラと剥がれ落ちた絵の具のかけらをもう一度私の脳内でパズルのようにつなぎ合わせてみる。見る人によって見えていることが違う絵だ。伸びやかに走る筆跡やバサバサとした塗り。パラフィン紙のように薄く画布に留まった絵具は一時心地よく収まって、平穏を装ってみせる。そうかと思えば、視界の端を通り抜けた人影のように所在なく揺らぎ、見えているものは色も形も、色でも形でもなく、もがいても掴めそうにない迷宮の魅力。アトリエからはみ出す勢いで、次々と白いキャンバスを並べ「いくらでも描ける!」と話してくれた西山さんは、両手を遠くまで伸ばし自分の輪郭を探り続ける、まるで盲目の冒険者だ。
教授・村瀬 恭子
- 作品名船とさかな/屋上
- 作家名西山 綾香
- 素材・技法船とさかな=キャンバス、油彩/屋上=キャンバス、油彩
- サイズ船とさかな=H2590×W3880mm/屋上=H1940×W1100mm
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