男がいた 女がいた 私がいた
山田 佳奈
作者によるコメント
父がいて、母がいて、そして私は生まれた。彼らはもっと大きく一般化された大きな像になり、”男”と”女”として、私の中に存在している。それを通し、私は外の人間を見ている。その二つの大きな性の間で生きている。右には私の恐れる父、左には母そして私という女性と、私の持つ病気について描いた。
父と母はそのまた父と母から受け継いだものを私に与えた。自分が思っている以上に、私はたくさんの人でできている。未来には私も誰かにそれを与えるだろう。描き終わった今、そのことについて思いを馳せている。
担当教員によるコメント
この作品は、家族の影響や個人の存在に対する深い洞察を提供しています。父と母という二つの象徴は、私たちのアイデンティティ形成において重要な要素です。本作では、男と女の間に生きる私自身が描かれており、私たちは自らの過去を背負いながら、未来に向かってどんな新しい生活ができるのかを読み取れます。右側には恐れや威圧感を持つ父、左側には温もりや支えを象徴する母が描かれ、作者自身の内面の葛藤が浮かび上がります。これにより、個人の存在は自己の内面だけでなく、家族や血縁の影響からも形成されることがあるでしょう。創作を通じて、この複雑な人間関係についての考察や感慨にふける瞬間が、私たちにとっての自己理解を深める一助となることでしょう。
専任講師・陳 芃宇
- 作品名男がいた 女がいた 私がいた
- 作家名山田 佳奈
- 素材・技法岩絵具、水干絵具、胡粉、雲肌麻紙
- サイズ2182×2910mm×1枚/727×606mm×2枚/273×220mm×1枚/179×139mm×4枚/61×120mm×6枚
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員