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統合デザイン学科とはプロダクト・インターフェースなど、横断的にデザインを学ぶ学科です。本学科初の試みとなる特別対談。今年度の卒業制作展のテーマ「好奇心」にちなみ、異なる領域のゲストをお招きし、「異領域の統合」をコンセプトに、さまざまな角度からその「好奇心」を探りました。

#01「デザインの結び目」と好奇心。

デザインとマーケティング、一見全く違う分野に新風を吹き込むお二人。
共通点は、美意識、人の心を動かすデザイン...?
領域を越えたトークから生まれる兆しとは。

永井一史 / Kazufumi Nagai

アートディレクター/クリエイティブディレクター。
株式会社HAKUHODO DESIGN代表取締役社長。多摩美術大学教授。
多摩美術大学卒業後、博報堂に入社。2003年、デザインによるブランディングの会社HAKUHODO DESIGNを設立。様々な企業の経営改革支援や、企業・行政の事業、商品・サービスのブランディング、VIデザイン、プロジェクトデザインを手掛けている。多摩美術大学教授、2015年から東京都「東京ブランド」クリエイティブディレクターなどを務める。著書に『博報堂デザインのブランディング』『これからのデザイン経営』など。

佐藤章 / Akira Sato

株式会社湖池屋 代表取締役社長。
1959 年、東京都生まれ。82 年、早稲田大学法学部を卒業後、キリンビールに入社。97 年にキリンビバレッジ商品企画部に出向。99 年に発売された缶コーヒー「FIRE」を皮切りに、「生茶」「聞茶」「アミノサプリ」など、年間 1000 万ケースを超える大ヒットを連発。2008 年にキリンビールに戻り、九州統括本部長などを経て、14 年にキリンビバレッジ社長に就任。16 年にフレンテ(現・湖池屋)執行役員兼日清食品ホールディングス執行役員に転じ、同年 9 月から現職。2017 年 2 月に新しい湖池屋を象徴する商品として発売した「湖池屋プライドポテト」の大ヒットに続いて、「じゃがいも心地」「湖池屋STRONG」を成功へと導き、ポテトチップスの老舗・湖池屋の代表として、新しい“食”への挑戦を続けている。

#02「統合デザイン学科」と好奇心。

この瞬間もさまざまな好奇心が生まれる統合デザイン学科。
その教授陣の好奇心の変遷をプレーバック。
共通点が多いからこそ通じ合うトークが満載です。

中村勇吾 / Yugo Nakamura

ウェブデザイナー/インターフェースデザイナー/映像ディレクター。1970年奈良県生まれ。
東京大学大学院工学部卒業。多摩美術大学教授。1998年よりウェブデザイン、インターフェースデザインの分野に携わる。2004年にデザインスタジオ「tha ltd.」を設立。以後、数多くのウェブサイトや映像のアートディレクション/デザイン/プログラミングの分野で横断/縦断的に活動を続けている。主な仕事に、ユニクロの一連のウェブディレクション、KDDIスマートフォン端末「INFOBAR」のUIデザイン、NHK教育番組「デザインあ」のディレクションなど。主な受賞に、カンヌ国際広告賞グランプリ、東京インタラクティブ・アド・アワードグランプリ、TDC賞グランプリ、毎日デザイン賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞など。

長崎綱雄 / Tsunao Nagasaki

NAOTO FUKASAWA DESIGN 取締役 Senior Designer。多摩美術大学 美術学部 統合デザイン学科 教授。
早稲田大学卒業後、武蔵野美術大学に編入。株式会社岡村製作所を経て2003年NAOTO FUKASAWA DESIGNに参加、現在に至る。2018年 生態心理学を基盤としたAmbience Designを構想。BRANCHの活動を主宰し、アートやデザインの表現活動を通して「調和の原理」「雰囲気のメカニズム」の研究、「性質からモノを発想する」など、新しい創造やデザインの方法の実践と確立に取組む。

#03「やわらかい伝え方」と好奇心。

あらゆる場面で言語化・数値化を強く求められる今日。抽象的かつインパクトある「伝え方」の極意とは。言葉にし尽くせないこともありのままに受け止め表現するお二人のふんわりトークです。

あだちなみ / Nami Adachi

絵本作家。
多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業 株式会社タカラ(現タカラトミー)、株式会社バンダイを経て独立。多摩美術大学統合デザイン学科非常勤講師。代表作は絵本「くまのがっこう」シリーズ(ブロンズ新社)の作画、他多数。言葉になる前の身体で感じる感覚を大切にしています。あとは朝ごはんが好き。チョコが好き。愉快にたのしく生きていきたい。

祖父江慎 / Shin Sobue

1959年、愛知県生まれ。愛知県立旭丘高校美術科卒。多摩美術大学グラフィックデザイン科在学中に株式会社工作舎でアルバイトをし3年生のときにそのまま大学は中退。1984年、25歳のときに工作舎のアートディレクター(仮)となる。1988年、フリーランス。1990 年に事務所名をコズフィッシュとし1993年、法人化。有限会社コズフィッシュ代表。すべての印刷されたものに対する並はずれた「うっとり力」をもって、日本のブックデザインの最前線で、小説、漫画、絵本、写真集など幅広いジャンルを手がけ、展覧会のアートディレクションにも力をそそぎ、2017年春、あだちなみさんの「くまのがっこう展」のアートディレクションをする。過去の仕事をまとめた『祖父江慎+コズフィッシュ』(パイ インターナショナル刊)発売中。近刊に「朝のデザインさん」「夜のデザインさん」(2022年春発売予定)がある。