浮島 ウロス島  

 ここは以前、ウル族という陸地で暮らすことができなかった被差別民の島だったようだ。現在、彼らは混血が進み、純粋なウル族ではなく、陸地で暮らすこともできるが、固定資産税がかからないため か、浮き島での生活を望む人が多いとのことだ。おそらく彼らにとってここが一番快適なのだろう。

 初日に見た観光用のウロス島は、観光船が着く時間に合わせて別の島から通勤して土産物を売りに行くのだそうだ。住まいのある島では湖の魚を採って生活してい るが、水鳥を食べたり、豚など家畜も飼ってい る。大きな島には教会や学校まである。 ひとつの島に1世帯という小さなものも多く、何軒か家を見せてもらったが、家財道具はきわめて少なく、ほとんどの家が1室のみの生活、トトラの屋根はすきまだらけだ。しかし屋根に太陽電池が 付いている家も多く、照明器具とラジカセは標準的な持ち物のようだ。

 トトラで作った島は下から順に腐ってくる。沈み始める前に上に新しいトトラを足していかなくてはならない。知らないと足を踏み抜いてしまうことがある。島に降り立つと、腐り始めたトトラがかなり臭く、写真で見るような幻想的な風景では ない。

 それにしても空気が薄い!この夜から高山病に苦しむことになった。

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