PBL科目の導入の背景
 多摩美術大学は、平成18年度、従来の系統的学習とは異なる課題解決型の新しい授業、「PBL科目」を開講しました。PBLはProject Based Learningの略です。PBL科目では、企業・自治体の方々からご提案いただいた課題を、実社会の生きた教材として授業に取り入れ、そして、その課題をもとにプロジェクトを立ち上げ、学生自身が主体的・実践的に課題解決に取り組み、その過程で、学生自ら様々な解決手法・技法・プレゼンテーション能力、マーケットを読み解きデザインをビジネスに結びつける力を身につけていくことができます。そういった多様な能力の向上につながるPBL科目での学習は、これから実社会でデザイナー・作家としての活動する学生たちにとって非常に有意義な経験となります。

PBL科目の開講以前にも、多摩美術大学は、産学官共同研究(企業・自治体等と大学の共同研究)に基づく課題解決型の教育を、20年以上にわたって行ってきた実績を持っています。それらの実績が高く評価され、「マスマーケットへ向けたデザイン教育の実践」、「学生プロデュースによる地域伝統工芸活性化」、「バナナ・テキスタイル・プロジェクト」といった教育プログラムが平成17・18年度に文部科学省「特色GP」「現代GP」に選定されました。そして、これらの優れた教育プログラムをキャンパス内により一層広め、より多くの学生にプロジェクトへの参加機会を与えるため、平成18年度にカリキュラムの一環としてPBL科目を開講しました。

PBL科目の構成
 多摩美術大学のPBL科目は講義・演習・実習によって構成され、それぞれのプロジェクトに参加する上で必要となる理論・セオリーを講義で、実技・スキルを演習で学ぶことができます。そして、その講義と演習の補完体制の上に、実習としてそれぞれのプロジェクトが位置づけられています。

平成20年度開講のPBL科目
授業科目名 単位数 授業形態 開講期
PBL |-3 素材と表現の関係考 1 実習 後期
PBL |-4 日本画素材・バナナ素材における研究 1 演習 後期
PBL |-5 視覚表現研究プロジェクト(写真編)| 1 実習 前期
PBL |-6 視覚表現研究プロジェクト(写真編)|| 1 実習 後期
PBL |-9 えどがわ伝統工芸産学公プロジェクト 1 実習 前期
PBL |-10 デザインガイドライン | 1 演習 前期
PBL |-11 デザインガイドライン || 1 演習 後期
PBL |-12 バナナ・テキスタイル入門−素材研究 1 演習 前期
PBL |-13 バナナ・エコ・テキスタイル 1 演習 後期
★PBL |-14 桐で家具を作る 1 実習 後期
★PBL |-15 電化製品の新たな可能性をデザイン 1 実習 前期
★PBL |-16 発砲ウレタンの新たな可能性をデザイン 1 実習 後期
PBL ||-5 バナナ・テキスタイル環境教育の実践 2 演習 通年
PBL ||-6 バナナ・エコ・プロダクト 2 演習 通年
PBL ||-7 バナナ環境論(デザインと環境問題) 2 講義 後期
PBL ||-8 産学連携・企業ウェブサイトのデザイン 2 演習 通年
PBL ||-9 文化演出の現在|(展覧会) 2 演習 前期
PBL ||-10 プレゼンテーション演習 2 実習 後期

※テーマは産学官共同研究の内容によって決定するため、年度により大きく変更される場合があります。
は本プログラム「マスマーケットへ向けたデザイン教育の実践」に関連したPBL科目です。
 
 
Copyright (c) 2005 Tama Art University,All Rights Reserved.