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キム ダヘ

作者によるコメント

日常的な習慣、時間、人々との関係から生まれる無意識について興味がある。主にこれらを線やドローイングで即興的な表現をしている。具体的な対象を表現するのではなく、言葉では形容しにくい無意識に関連した感情の動きとその状態を意図せず偶発的な手の動きによってドローイングをすることで可視化している。偶然的、無意識的な行動による私の内的状態を連結するために、ドローイングをアニメーションした映像とシルクスクリーンを通じて表現した。今回のドローイングを総合してみた時、私は日常でよく見かける植物のような形に見える。しかし、初めて見る人ごとに各自の考えを持って想像してほしいし、最後に私のテーマを考えてまた作品を見てくれれば良いのかな、という考えでこのようなインスタレーションをした。

担当教員によるコメント

キム・ダヘは、ipad上でドローイングするところから始める。ときに一枚の写真からインスピレーションを得ることもあるが、何かを描くことを目的化することなく、彼女の言葉に依れば、「無意識」を探りながら複数の線を縦横に重ね、そこに得体の知れない植物、生き物のようなイメージを浮かび上がらせていく。卒業制作では、複数のイメージを壁にシルクスクリーン印刷で再構成し、そこにアニメーションのイメージを投影し、重ねていく。ドローイングのイメージは、静と動のレイヤーの間を交錯し、別の次元の存在へと変容し始めるかのようだ。彼女のこうした、シルクスクリーンとアニメーションによるミクストメディアによるイメージの様態に、新しい絵画表現の可能性が見えてくる。

教授・大島 成己

  • 作品名
    Pxxxx
  • 作家名
    キム ダヘ
  • 作品情報
    技法・素材:プロジェクター、壁にシルクスクリーン
    サイズ:H2360×W6000mm/H2360×W4000mm
  • 学科・専攻・コース