The Spell of Beauty 美の呪い

ジョ ブンブン

作者によるコメント

ファッションを追うために、⼥性はいつも化粧に多くの時間を費やす。毎⽇いろいろな化粧品を肌に塗り、メイクのTIPSを学び、鏡の中の顔を⾒つめながら「美しくなりたい」という⾔葉を⼼の中で何度も繰り返して、美の呪いに当たっているような気がする。
それで、今回は美の呪⽂をテーマに、⽇常のメイクのグラフィックを製作した。 この作品で⼈々に化粧の不思議な魔⼒を感じさせると同時に、⾃分を⾒失うことの危険性も伝えたい。

担当教員によるコメント

自分を美しくしてくれる化粧の魔力と、そこに没入して自分を見失うことの恐ろしさ、そんなややこしいテーマを、抜けのいいグラフィックで表現し、見事に描ききっている。美しくて楽しい作品だが、それだけではなく、独特の冷静な視点が感じられて、作品の魅力をぶ厚くしている。シリーズ作品として共通する色彩とフォルムでまとめられているのだが、ひとつずつ見てみると、実はモチーフに合わせてそれぞれの画面構成がよく練られていて、テクスチャー表現も様々に工夫されているようだ。結果、作品1点ずつが異なったグラフィックの魅力を放っている。ここまで作り込むのはさぞ大変だったろうと推測するが、見る人にそんな制作上の苦労は感じさせずに、スッと作品世界に誘い込んでくれる。大した完成度だと思う。

教授・服部 一成