green piece yokohama

佐藤 快

作者によるコメント

green pieceとは、モビリティやストリートファニチャーなどの役割を持つ緑のかけらである。このpieceが蒔田公園を中心に旧海岸線を循環することで、街の持つ記憶をなぞり緑の心地よさで包み込む。

担当教員によるコメント

横浜と聞くと、みなとみらい21地区や関内地区などウォーターフロントの華やかでスタイリッシュな街の風景を思い浮かべがちである。本作品では、街の成り立ちを時間軸で丁寧に読み解く過程で、ウォーターフロントから離れた立地にある蒔田公園に着目し、その公園リノベーションを起点として横浜全体の風景を再構築するという意欲的な提案である。街のスケールでみると、対象地は「・(点)」ほどの大きさであるが、そもそも風景の創造とは、このような小さな行為が時間をかけて周辺に徐々に影響を与え合い、その行為がさらに新たな風景の種(シード)となり重層的に積層されていくものではないだろうか。大規模開発による予定調和的風景づくりではない、風景づくりのアプローチに共感する。

非常勤講師・田嶋 豊