Penetration preparation
神谷 かれん
担当教員によるコメント
神谷にとって、自分を生物学的に決定づける血族は、疎むものだという。その呪縛を作品のテーマとして制作をしてきた彼女だが、本作と前作においては、クレヨンの様な自身で調合した素材で制作し、一旦自立させた彫刻作品に、触る、こする、引きずるなど、時には破壊ともとれる行為を加えるパフォーマンスを行い、その記録とともに作品を構成している。作り上げる、という、ともすると現実から距離を持つ古典的彫刻の在り方に、疑問を感じ、それだけでは自身のテーマを表現しきれないと感じた、作者の経緯が伺える。実直に作品を作ってきた神谷だからこそ、導かれた懐疑である。作品の中に、現在進行形の自身を表現していこうとする、真摯な挑戦が見て取れる秀作である。
教授・笠原 恵実子
- 作品名Penetration preparation
- 作家名神谷 かれん
- 作品情報技法・素材:パラフィン、油絵具、タルク、ベニヤ板、布、ペンキ
寸法:H140×W180×D70cm - 学科・専攻・コース
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