まぶたの裏の閃光の奥に被弾した、私の幼児性の塊
橋口 美佐
担当教員によるコメント
この作品タイトルを見た時、ドキッとした。アトリエでの橋口さんは常に淡々としていて、感情的に画面に向かうことは全くないが、作品から感じられる強い意志、絵を描かざるをえない何か、誰しも持つどこにもぶつけられない叫びのようなものを、このタイトルは強く語っていた。大学に入り、かなり早い時期から自分の絵のスタイルを見つけ、ひたすら描いてきた。しかしこれは同時に自分が創ったスタイルとの葛藤でもあった。表面的な変化ではなく、真に自分に向きあい、自分自身に忠実になろうとすることから生まれる変化。この変化を真摯に求め続けた橋口さんの卒制。これまでの制作の確かな積み重ねが、画面の隅々、あらゆる所に緊張感を生み見事な絵画空間を生むことになった。まさに揺るぎない大きな一歩、大きな変化だった。
教授・日高 理恵子
- 作品名まぶたの裏の閃光の奥に被弾した、私の幼児性の塊
- 作家名橋口 美佐
- 作品情報技法・素材:アクリル、綿布
寸法:H2273×W1818mm - 学科・専攻・コース
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