A. 生まれ木, B. 連想の庭
若月 あすみ
担当教員によるコメント
「生まれ木」と題された巨大な布に自由に描かれた一見抽象的な絵画は、実は3人兄弟の誕生の記念に植樹された、柿、梅、桃が絡み合うように表現された具象的な要素のある絵画である。その木々の大胆な絡み具合は、兄弟の血のつながりにまつわる死生観をも表現し、家族と言うものへの永遠のオマージュを捧げるための記念碑的な表現として、観る者の心に深く訴えてくる。「連想の庭」は、通常のキャンバスに油彩で描かれたものだが、繁茂する生命力が色彩やタッチの複雑な感情表出となって顕れ、画面に充実感を与えている。作者の言葉によれば「生物に根付く新鮮な生命力が、個人的な想いを引き寄せるのだと信じること」が重要なテーマだそうだ。自身の感情に真摯に向き合った秀作である。
教授・中村 一美
- 作品名A. 生まれ木, B. 連想の庭
- 作家名若月 あすみ
- 作品情報技法・素材:綿布にアクリル、木炭、ペン
寸法:H3160×W1790mm
技法・素材:キャンバスに油彩
寸法:H1303×W1620mm - 学科・専攻・コース
- カテゴリー