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【卒業生インタビュー】多摩美からロンドン、そしてパリコレへ。テキスタイルの知見を武器に世界へ挑む

在学中の学びを「最強の武器」にして、ロンドンの名門大学院へ進学、パリコレでの作品発表を果たし、世界を舞台に大活躍する村岡莉帆さん。夢を現実にした多摩美での4年間と、これからの挑戦についてお話を伺いました。

写真中央、村岡莉帆さん
フランス、パリコレクション会場にて撮影

世界で戦って気づいた、多摩美で得たテキスタイルの知見は、世界に通用する「最強の武器」

──生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻を卒業後、ロンドンの世界的名門校UAL London College of Fashionの大学院へ進学し、メンズウェアを専攻されたそうですね。きっかけは何だったのでしょうか?

村岡利帆さん(以下、村岡): 多摩美に在学中から「STUDIO2(ファッションテキスタイル)」に所属してファッションに関する勉強をしており、その中でも特にメンズウェアに関する興味が強かったことが動機です。服飾に関することをより専門的に学びたい、という思いで留学しました。

──実際に現地(ロンドン)で学んでみて、いかがでしたか?

村岡: 実際に現地で学んでみると、多摩美で培ったテキスタイルに関する知識が大いに役に立ちました。ファッションデザインの分野において、自分のデザインを実現させるために「どの布を使うべきか」「どのように加工するべきか」を理解している人は、実は世界的に見ても少ないんです。そのため、多摩美のテキスタイルデザイン専攻の学びで得た染色やニットなどの知見は、私にとって大きな強みになりました。

──大学院の修了制作では、メンズウェアを8ルック制作されたとか。かなり大変な制作量ですよね。

村岡: そうなんです。しかも、LCFに提出する作品は、すべて商品レベル(市場で販売できるレベル)での完成度が求められます。そのためにはプロの協力が不可欠であったため、日本の染色工場とニットウェア制作会社と共に制作を行いました。様々な方と連絡を取りながら制作を進めていく過程は非常に大変でしたが、多摩美の課題を通して「社会とつながる力」を学んだ経験を活かし、自分の作品をより良い方向に拡大していくことができました。

──そして修了後、パリコレクションで作品を発表されたと伺いました!

コレクションを紹介するキービジュアル

村岡: はい! 若手デザイナーを支援する団体のコーディネーターの方が、SNSを介して連絡をくださったことがきっかけで、修了後にパリコレクションにて作品を発表する機会をいただきました。当日のショーが終わるまで、本当に多くの方に助けていただきましたね。大学の枠を超えて世界的な舞台に挑戦させていたいだことに感謝しています。自分の作品を国際的に披露できるようになり、大きな自信にも繋がりました。

パリコレクションで発表した村岡さんの作品

世界でも稀な多摩美の環境と、熱い思いで背中を押してくれた先生たち。テキスタイルデザイン専攻での4年間が私のすべての土台。

──素晴らしい挑戦ですね。海外の大学を経験したからこそ、改めて気づいた「多摩美のテキスタイルデザイン専攻の魅力」はどんなところでしょう?

村岡: 海外の大学での経験は、まさに多摩美のテキスタイルデザイン専攻独自の魅力を再認識する機会でもありました。染色、織、編み、シルクスクリーンプリントなどのテキスタイルに関する知識を網羅でき、かつ、こんなにも充実した設備(染色ラボの使用や織り機、編み機の貸し出しなど)を学生が思い切り使える環境は、多摩美にしかないと思います。

──環境だけでなく、カリキュラムや指導の面でも違いを感じましたか?

村岡: はい。テキスタイルデザイン専攻の特徴でもある、スタジオに分かれての指導では、学生が関心を持つ分野をさらに専門的に掘り下げることができます。私が所属していたSTUDIO2(ファッションテキスタイル)では、衣服デザインからパターン制作、縫製にいたるまで、ウエア制作の全工程を網羅した丁寧な授業が展開されていたため、服飾に必要な技術をしっかり学ぶことができました。そのおかげで、卒業後すぐに海外の服飾系の学部の大学院に進学することができたと思っています。デザイン的な思考と服飾の技術、両方をバランスよく学べる美術大学は、世界的にみてもかなり稀(まれ)です。また、先生方の指導に対する思いも強く、学生の可能性を広げるためにはどうすれば良いかを真剣に考えてくださる方ばかりです。学生と共に悩みながら親身になって学びをサポートしてくださったおかげで、ここまで来られました。卒業した今でも、壁にぶつかったときは先生方に頂いた言葉を思い出すことが多々あります。

──多摩美での4年間が、すべての土台になっていたのですね。

村岡: ロンドン滞在中には、自分がこれまで触れてこなかった分野を学び、技術面やコミュニケーション能力が飛躍的に向上したと感じていますが、それもすべて多摩美での経験があってこそ成し得たものです。何も知らなかった一年生の頃には、自分が海外の大学院に行けるなんて思ってもいませんでした。それは決して私一人の力で得たものではなく、テキスタイルデザイン専攻の先生方や国際交流センター(現 国際交流課)の方達にサポートしていただいて掴んだチャンスでした。多摩美には、夢のようなことを現実にするために手を差し伸べてくださる方がたくさんいます。そのような素敵な方々に巡り会えたことに感謝しながら、今後もひたむきに努力を重ねていこうと思います。


村岡莉帆(むらおか・りほ)
村岡莉帆(むらおか・りほ)

2024年生産デザイン学科テキスタイル専攻卒業

2000年、福岡県出身。在学中に素材や染色への理解を深め、卒業後は英国へ渡り、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(ロンドンファッション大学)大学院へ進学。
ファッションの文脈におけるデザイン論を学ぶと共に衣服の構造理解や縫製技術に関しても研究を重ねる。日本の伝統的なテキスタイルをファッションと繋げる可能性についても追求し続けている。

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