「これから何をデザインすべきなのか?」④
教養総合講座B「デザインを話そう。」 第1部
登壇者:永井一史 / 上田壮一 / 宮崎光弘 (担当:木下京子教授)
❹【自己紹介 永井一史】
「伊右衛門」から「ヘルプマーク」、「サーキュラリティ」まで

宮崎:永井さん。1ページでの自己紹介って、かっこよすぎるんですけど。どうぞ。

永井:このような仕事しております。以上という感じです。
宮崎:実は永井さん、このプロジェクトも。

永井:あっ、そうですね。これは2020年からはじまったプロジェクトです。僕とプロダクトの濱⽥先⽣、尾形先⽣と⼀緒に⽴ち上げ、その時に宮崎さんにもお声がけして⼀緒に活動しています。⼤学の中で学科横断っていうのはなかなか難しいんですけども。こういったサーキュラリティとかサステナビリティの領域は、どこかの学科の1⼈の先⽣というよりも⼤学全体で取り組むことが⼤事だと思います。展覧会の回数も重ね、勉強会もしたりということが結構まとまってきたので、3年分くらいの成果をまとめて昨年出版したものです。本に取り上げた⼀例として、こちらの宮崎ゼミの作品の説明をお願いします。

宮崎:これ面白いんです。「スマホ供養」という作品です。スマートフォンって、なんとなく捨てるのがちょっとやだなっていう気持ちに対しての企画です。
永井:どうしてもね。使ったスマホには愛着があったり、個⼈情報も結構⼊ってるし、処分せずにそのまま持ってるか、みたいになってますよね。
宮崎:そうなんです。リサーチしたらそういう人が多いっていうことが分かって。彼女の実家がお寺だったんで、これは供養しようということになったんです。供養するキットをお寺から届けて、ここにあるようにスマートフォンを供養する。供養キットが送られてきて、ちゃんと読経も流れる。そして、それをお寺に戻す。スマートフォンの中にはレアメタルがありますから、都市鉱山みたいなものなので、お寺がそれをちゃんとリサイクルに回すという、その循環のプロジェクト。まさにこの時はサーキュラっていうテーマだったんですけども、回るようにするためにはどうしたらいいかっていうのを考えてくれた。モノでありコトのデザイン。
上田:学生のアイデアですけど、貧困家庭にお寺から食材を届ける「おてらおやつクラブ」という活動があるぐらいですから、お寺にそういうマインドがあれば本当にできちゃうということですね。
宮崎:そう。素晴らしい!っていうような作品がいくつも生まれました。こういうものがありつつ、永井さんの話に戻してもいいでしょうか。
永井:ま、そうやって情報デザイン学科の学⽣もこの本には載っているので、みなさんも是⾮機会があれば⾒てほしいと思います。

宮崎:永井さん、『AXIS』の表紙にも出ていただいてありがとうございます。唯一、親子で出るっていう。
永井:ああそうかもしれないですね。
宮崎:そうです。はい。サインを書くんですけども、そのサインがめちゃくちゃかっこよくて。 真ん中に「永井」って書いてあって、その左右に「一正」、「一史」と書いてある。

永井:少し企画っぽく表現してみました。
▼続きは以下のリンクからご覧ください。