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C・R・マッキントッシュの「ヒルハウス・チェア」
CharIes Rennie Mackintosh
1903 |
チャールズ・レニー・マッキントッシュ(1868-1928)は、グラスゴー建築学校の仲間(うち1人は妻のマーガレット)と「4人組」を結成し、故郷のスコットランドで建築・デザイン活動を始めた。彼は、生前、故郷では無名であったが、ウィーン分離派運動が盛んだったウィーンやドイツでは崇拝され、古代ケルト人の装飾模様や日本の浮世絵の表現手法を取り入れた家具、金属工芸、テキスタイル、ガラス工芸作品、ポスターを数多く残している。彼が設計したグラスゴー美術学校(1909年完成)や店舗のインテリア7サインは、来るべきモダニズムを予感させるものとして異彩を放っている。出版社オーナー、ウォルター・W・ブラッキーのヒル邸(ヘレンズバラ、スコットランド)は彼が手がけた作品だが、自然主義を排し、機能性と繊密な計算に基づいたデザインとして名高い。写真の作品は、ブラッキーの寝室用にデザインされた、幾何学的で半機能的なチェアである。マッキントッシュがウィーン分離派に影響を与えた直線模様、イギリスの伝統的な横木の背を特徴とし、アメリカのF・L・ライトの1890年代の背の高さを強調した椅子の影響が見える。先進性と回帰性が同居した作品である。
【素材】オリジナルは黒檀調仕上げのオ一ク材、布地。写真は複製で、黒く塗装された木材、布地。
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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