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F・L・ライトの椅子付き机
Frank Lloyd Wright
1905 |
アメリカの建築家、フランク・ロイド.ライト(1867〜1959)は豊かな想像力と視点を持ったデザイナーであった。彼が設計したD・マーティン邸のオーク材の樽形安楽椅子、ラーキン・ビルのスチール製の家具は共にバッファローにあるが、同一人物が同時期に作ったものとはとても思えない。ライトの最も重要な作品の1つであるラーキン・ビルは、初めて空調装置、板ガラス、壁掛け式水洗トイレを採用している。ライトが建物を設計したバッファローのクライアントはすべて、アーツ・アンド・クラフツ運動の主唱者、エルバート・ハバードと義理の兄弟ジョン・ラーキンが設立した通販会社ラーキン社の提携会社であった。レンガ造りの高層のラーキン本部ビルは、街の殺風景な鉄道線路区域に隣接した工場群の一画にあった。ライトは建物内部を外界から切り離し、明るく、美しい室内空間を設計した。木製、金属製の家具が建物の空間幾何学を反映している。リートフェルトの「レッド・アンド・ブルーチェア」(p.48参照)の先駆的作品である、ライトの厚板背の椅子はカフェテリアをはじめ、あらゆる場所で使われている。写真の机は椅子との一体型なので、机の下の掃除が楽である。分離型の金属製アームチェアは重役室で使われたもの。金属製のオフィス家具はライトが考案するまではほとんど使われていなかった。
【素材】塗装したスチール材、皮革
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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