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O・バルナックの「ピロート」「ライカ」
Oskar Barnack
1912 |
1911年から1913年のある時期、ドイツのベツラーにあったライツ社の技術者で、アマチュアカメラマンのオスカー・ハルナック(1879〜1936)は、標準的な穿孔付きフィルムを使った小型カメラを設計した。このカメラは、何回かの設計変更、第一次世界大戦による製作の遅れを経て、ハルナックが勤務していた顕微鏡メーカー、ライツ社社主E・ライツによって商業生産が開始される。第1号のピロート(1923-24)はプロトタイプではなく、限定生産品として30台を販売。ピロートは、焦点用ノブ、折りたたみ式固定レンズ、本体上部の調節機構が特徴で、フィルムの巻き取り、瞬間露出、タイム露出が可能であった。その後継機がライカA(1925)で、翌年発売されたモデルB以降、搭載されなくなるスローシャッタースピード機構を装備していた。ライカは小型カメラのデザイン、機構を根本から変え、小型カメラの新標準となった。これ以後、ライカは、専門家の高品質画像を撮ることのできる初の小型カメラとして、急速に世界中の報道カメラマンに普及していく。ライカの名前は社主の「ライツ」と「カメラ」からとったものである。
【素材】皮装の金属ボディ、黒色塗装の真鍮部品、取り外し可能な底板、化学処理で黒色にしたレンズの台座(写真は「ピロート型101〜130号機のうちの109号樹
【製作者】E・ライツ
【写真】ジョージ・イーストマンハウス
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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