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F・ジュールダンのアームチェア
Frands Jourdain
1913 |
フランシス・ジュールダン(1876〜1958)はフランスの著名な建築家フランツ・ジュールダンを父に持つ。フランツの代表作は、1905年から1907年にパリに建設されたサマリア百貨店である。フランシスは絵画にも才能を発揮し、彼の作品はセザンヌ、マチス、ロートレック、カンディンスキの作品の横に展示されるほどであった。芸術論や小説を執筆し、後年、回顧録も出版している。彼は、過剰な装飾を激しく批判したウィーンの建築家アドルフ・ロースの論文『装飾と罪悪』(1908)の影響を強く受けている。ジュールダンはロースの考え方を踏襲し、大量生産の可能なシンプルで経済的な家具を考案。大勢のクライアントのためにインテリアを精力的にデザインしている。写真の椅子は、パリの自宅アパートのテーブルセットの一部。フレキシブルで、実用的な多目的家具への嗜好がうかがえる。パリ在住のデザイナーにとってサロン展への出展は重要な意味を持っていた。1913年、ジュールダンは自宅リビングの調度品一式をサロン・ドートンヌに出品。当時、アール1ヌーボーは衰退しつつあったが、彼の作品は装飾過剰な他作家の作品とは対照的で、批判的な評価が下された。
【素材】マホガニ−材、裂いた籐
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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