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E・オッレルシュの花瓶
Edvin Ollers
1917 |
スウェーデンの伝統工芸産業の向上に努めたテキスタイルデザイナーのエルザ・グルベリ(1886〜1984)は、画家で美術教師のエドヴィン・オッレルシュ(1888-1959)らと共にコスタ社ガラス工房との共同プロジェクトを数多く実現させた。オッレルシュは、1917年にストックホルムのリリイエヴァルス・コンストハルで開催されたホーム展にスタジオ代表として参加。コスタ社の活動は、安価で魅力的な商品の供給に努めようという、20世紀初頭の北欧の社会意識の芽生えに呼応したものであった。写真の花瓶もその一例である。花瓶のデザインはオッレルシュだが、職人たちがガラスを吹き、外面に黄色いガラスをかぶせた後、植物モチーフ部分を耐酸性の粘着材で覆い、塩酸液に浸して、背景の黄色ガラスを腐食させることにより取り除いている。コスタ社のガラス工房の前身は、1942年創立の窓ガラス工場であった。オッレルシュがここでデザインしていたのは短期間である。コスタの社名は、工場創設者A・コスクル、ボギスラウス・シュテール・フォン・ハルシュタインの頭文字からとられている。1946年、コスタ社はガラス会社ボタ、オフォロスと合併し、さらに1990年にはオレフォスと合併を図り、オレフォス・コスタ・ボタ社となった。
【素材】吹きガラスで、溶着装飾を施したもの
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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