G・T・リートフェルトの「レッド・アンド・ブルーチェア」
Gerrit Thomas Rietveld
1918
042  ヘリット・卜一マス・リートフェルト(1888〜1964)は、テオ・ファン・ドゥースブルクが1917年から1931年までリーダーとして活躍した、オランダの建築家・芸術家・著作家集団、デ・ステイル(オランダ語で「様式」)のメンバーとなった。絵画と造形を分離せず、統合しようとしたのが同集団である。リートフェルトは学生時代から、建築とデザインの新しいスタイルを確立するためには絵画が重要であると感じていた。彼は、幾何学平面を使ったユトレヒトのシュレーダー邸(1924)と同様、1917年に「ブラック1アンド・ホワイトチェア」をデザインしている。その翌年、この写真のような、よりエネルギッシュな、究極の不安感を表現した作品を発表。このアームチェアの17のパーツは単に触れ合っているように見えるが、7本の横木、6本の支柱がジベルでしっかり固定されている。1918年に単色塗装が施された、サイズの異なる男性用・女性用の椅子も発表した。リートフェルトは、F・L・ライトやオランダ人建築家H・P・ベルラーへの厚板材を使った椅子の影響を受けているのかもしれない。しかし、リート7ユルトが1922年以降、多用するようになる空間との調和を図ったデザインと力強い色使いは、2人にはない特徴である。

【素材】モミ材、合板(オリジナル)。1917年は無彩色または黒。1918年は赤、青、黄、黒で彩色。


100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス