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W・ワーゲンフェルトとC・J・ユンカース共作のバウハウスランプ「MT8」
Wilhelm Wagenfeld/Carl Jacob Junkers
1924 |
ヴィルヘルム・ワーゲンフェルト(1900〜90)は銀食器工場で働いた後、ドイツの美術学校で学び、さらにワイマール国立バウハウスの銀細工コースに入った。彼は後年、ここで自ら教鞭をとることになる。彼のガラス作品には素晴らしいものが多いが、製作中に「MT8」と名付けられたこのバウハウスランプは特に有名である。1923年、ワーゲンフェルトは、バウハウスの師L・モホリ・ナギからランプのデザインを依頼された。最初に作られた作品の1つは、1924年5月、学校長W・グロピウスの誕生日に贈呈。1928年まで、このランプは3つの球脚付きの円形金属盤上や、厚いクリアガラスの台、スチールパイプの脚の上に載せて使われていた。バウハウスの銀細工科研究生であったスイス人C・J・ユンカース(1902〜97)はガラスの一体成型バージョンをデザインしたのは自分であると主張しているが、残念ながらその主張を裏付ける文書は見つかっていない。このランプは大量生産に適し、厳密に幾何学的な形態をめざしたバウハウスの哲学を体現したものであり、20世紀の象徴的デザインとなっている。ランプの固定部分は、戦後の新解釈によって様々なものが作られたが、現在、ワーゲンフェルトが自ら再監修したランプを、ブレーメンのテクノルーメン社が生産している。
【素材】金属部はクロムメッキ、吹きガラス。写真は初期のモデル。
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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