ル・コルビュジエ、P・ジャンヌレ、C・ペリアン共作の寝椅子
Le Corbusier/Pierre Jeanneret/Charlotte Perriand
1928
042 右の角度調整機能付の寝椅子は、スイス出身のフランス人建築家、ル・コルビュジエ(1887〜1965)と、いとこのピエール・ジャンヌレ(1896〜1967)、シャルロット・ベリアン(1903〜1999)が共同でデザインしたものである。最初の作品は、1929年フランスのヴィラ・デ・アブレ村の教会に納品された後、同年パリのサロン・ドートンヌに出品された。自分のデザインした家はすべて「住むための装置」であるとしたル・コルビュジエは、この寝椅子を「心からリラックスするための装置」と呼んだ。工業デザインは絵画と同等のものであるとする彼の主張は、1920年代の各界に大きな波紋を投げかけた。3人のフランス人デザイナーたちは、卜一ネット社の曲げ木の寝椅子を再解釈し、曲木をスチールパイプに置き換え、椅子本体とへ一スの部分とが分離できるようにした。この椅子はパスコー博士の先駆的作品「ル・スレポス」もヒントとなっているかもしれない。1922年から1933年、E・ムテジウス(ヘルマン・ムテジウスの息子)とクレメンス・ヴァイゲルは、インドのインドール宮殿のインテリア計画に合わせて、真っ直ぐな背もたれをヒョウの皮で覆った、枕付のエキゾチックな寝椅子をデザインしている。右の写真のデザインは現在、スタンダードモデルとして、様々な製造会社が生産している。


【素材】ニッケルメッキのスチールパイプにクロムメッキ、布地、皮革、ゴム


100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス