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H・ベルトイアのラウンジチェア「22」「ダイヤモンドチェア」
Harry Bertoia
1951 |
アリエト・ハリー・ベルトイア(1915〜78)は、宇宙を漂う、透けて見える椅子をイメージしてこれをデザインした。彼は家具製造業者ハンス&フローレンス・ノールの招きで、カリフォルニアを離れ、ペンシルベニアに移住し、2年間で、大小2タイプのダイヤモンド・チェアや背の高いラウンジチェア、クッション付き長椅子、サイドチェア、ベンチなど一連の椅子をデザインした。彼の椅子は、いずれも専用の特殊な部品、製造プロセスが要求された。この大型のダイヤモンドチェアは、4ヶ所に緩衝用ゴムパッキンを取りづけることで、固定部分に遊びを持たせている。バケツ型の椅子の場合、ワイヤー製の固い質感を和らげるために、フォームラバーを詰めた布製クッションやビニール製クッションを敷くことが多い。しかし、クッションを使うと、せっかくの透けて見える椅子の特徴が薄れてしまう。この椅子の小型版では、脚部は緩衝用ゴムパッキンをつけずにシート部分をボルトだけで固定している。ベルトイアはノール社にそれほど多くのデザインを残していない。彼は家具よりも、建築物のオブジェとして置かれる彫像の製作の方に興味があったのである。その1つ、動きのあるワイヤ製彫像は、ノール社の家具展示室に置かれている。
【素材】クロムメッキの鋼線、ゴム
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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