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G・ヴァッレの置時計「チフラ5」
Gino Valle
1965 |
イタリアとアメリカで修行をしたジーノ・ヴァッレ(1923〜)は、イタリア・ウディッネにある父親の設計事務所で働き、後年、兄弟と共に事務所を継いだ。
彼の活動は、イタリアの多くの建築家に見られるように、建築と工業デザインの双方に及んでいる。クライアントは時計メーカー、リッツ=イタローラ社などで、1954年から電気機器メーカー、ザヌーシ社がこれに加わった。
新しいアナログシステムが発達すると、ヴァッレの故郷ウディッネにあるソラーリ社は、彼に置時計と自動スケジュール・ボード・シリーズのデザインを委託した。これを巨大化したボードが空港や駅など公共の場に設置されたが、後にビデオ・モニターに取って代わられた。この電気機械システムにはモジュール式フラップが使われ、数字や文字、フレーズは中心部で水平に2分されている。手動か自動の2タイプがあり、フラップは中央の回転軸を中心に回り、手前に落ちる仕組みになっていた。
ソラーリ社の技術が人々の興味を引き、同社の時計が成功を収めたのは、ヴァッレの美しいデザインに依るところが大きかった。「テフラ5」の形状は、フラップを回転させるメカニズムによって決定され、プラスチック製の透明な窓、ボディカラー、調節用のつまみ、固定脚が、円筒形の幾何学的デザインによってすっきりと収まっている。また、読みやすい、黒地に白のヘルベチカ書体の数字は、グラフィックデザイナー、マッシモ・ヴィネーリ(1931〜)によって手がけられた。
【素材】 ABS樹脂、メタクリル酸メチル(透明プラスチック)、金属部品
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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